これまでお伝えした中身と重複する部分が多いですが、2月28日の国防省と空軍に関する小ネタ3つをご紹介します。
2013年度予算案関連、空軍F-35の話題、そして太平洋軍関連の話題です。
1.上院軍事委員会にて予算案を
28日、パネッタ国防長官とデンプシー統合参謀本部議長が上院軍事委員会に出席し、政府提出の国防予算について説明しました
●「国防省が追うべき範囲の削減使命は十分果たす準備がある」、「ただし、政府の負債削減の責任を国防予算にのみ負担させるべきではない」、「政策予算だけでなく、固定経費や歳入面にまで踏み込んで、国全体で例外なく全分野を議論の対象にすべき」、「更なる国防予算削減は安全保障に破滅的な影響を与える」と訴えています
●2013年度予算は、新国防戦略に沿った今後10年の歳出削減計画を踏まえており、、現在の戦いを遂行しつつ将来の脅威に準備するモノ
●以下の3つを念頭に置いている。第1に世界最強の軍を維持し、第2に空虚な軍(hollow force)にしない、第3に10年以上度重なる派遣に答えている兵士やその家族との信頼関係を損なわない
●兵力規模が小さく細くなったとしても、機敏で柔軟性があり、技術面で先進の部隊を追求する
●中東やアジア太平洋地域でのプレゼンスを重視し、南米、アフリカ、欧州では新たなパートナー関係構築を追求する
●陸軍は旅団をローテーション派遣してプレゼンスや能力維持を図る。海軍はBMD改良していない艦艇7隻を廃棄するが、空母の態勢は維持する。空軍は7個戦闘飛行隊や輸送機を減ずるが、残り54個戦闘飛行隊や輸送機や爆撃機で航空優位を確保する
●また、宇宙、サイバー、長距離攻撃能力、特殊作戦部隊への投資に力を注ぐ
「2013年度予算案の概要会見」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-27
「トランスクリプト予算案会見」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-01-1
2.新たな基地は造らない(28日付記事)
ノース太平洋空軍司令官が空軍協会総会で、アジア太平洋地域基地施策について言及しました
●国防省による戦力配備見直しの中で、太平洋地域が大きな注目を集めている。
●米国は、同盟国やパートナー国との協定や覚え書きを調整し、米軍の地域へのアクセスを確保を追求して地域のパワーたるべく取り組んでいる
●しかし、グアムや日本や韓国にあるような新たな基地建設は追求していない。同盟国等を有効活用(leverage partners and allies)しなければならない。
●最近豪州と結んだ米海兵隊のローテーション派遣に関する覚え書きが、機敏さと柔軟性を体現する「所在するが基地ではない(places, not bases)」鍵となる事例である。
3.フロリダで空軍F-35本格飛行へ
●28日空軍内の審査機関が、これまでエグリン基地で2名のテストパイロットにしか認めていなかった空軍F-35Aの飛行許可を、教官要員となる操縦者に拡大して良いとの許可を発出しました
●正確には「MFR:military flight release」が出されたと表現するようで、エグリン基地周辺での飛行手順や整備要領が適切であると認められた事を意味するようです。
●今後はF-35教育の拠点となるべく、今後数ヶ月掛けて、まず海・海兵隊・空軍選りすぐりの教官パイロット要員を集め、初期のF-35教官操縦者や整備員を養成することになりまます。
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原点に返って、米国防長官や米軍の動きについて話題を拾ってみました。
同盟国の基地を利用することは、経費節減であり、政治的に持続可能な方向性と合致しているのでしょう。