引き続き、フロリダ州オーランドで開催されている米空軍協会AFAのAir Warfare Symposiumにおける関係高官の発言をご紹介します。2月24日付「Daily Report Archive」より
本日は、ドンリー空軍長官、シュワルツ空軍参謀総長と核戦力を運用するGSC(Global Strike Command)司令官James Kowalski中将にご登場いただきます。
24日次期爆撃機(LRS- Bomber)に関して・・・
●2020年代半ばに部隊配備が可能で、単価が$550 millionで、80から100機を調達予定のLong Range Strike-Bomber計画はパネッタ長官も推奨の優先プログラムである
●同時にパネッタ国防長官は同計画を、緊急能力造成室(Rapid Capabilities Office)が一元的に統制するプロジェクトに指定し、コストとスケジュール面で計画を厳しくチェックし管理下においている(以上ドンリー長官発言)
●空軍は要求性能値を定めるため厳しい精査を行っており、多様な意味での「(要求性能選択の)競争」が「進行中」である。
●この機体には超音速飛行が必要だと主張する人もいるが、空軍内部からはそのような声は聞こえて来ない。
●Long Range Strikeは、一連のファミリーシステムで達成するモノであり、一部のシステムは開発中だが一部は既に配備されている技術を使用する装備である。
●従ってLong Range Strikeは複数のプロジェクトから構成されている。全てが新たな開発モノではないが、容易な挑戦ではない。複雑な取り組みである(シュワルツ大将)。
戦略核戦力について(Kowalski・GSC司令官)
●新たなSTART条約に基づき、米空軍は核搭載可能な爆撃機を60機に削減する計画を議会に提出している。その過程で28機のB-52Hを通常兵器のみ搭載可能なタイプに変更する。
●かつて少数の非核B-52をAGM-142専用母機として改修したこともあるが、今回非核にする機体にも、幾つかオプションが考えられる。(AGM-142はイスラエル製の射程50マイルほどの空対地ミサイル。発射後は母機以外からも誘導可能)
●ただし非核B-52Hのみの部隊は作らない。各B-52部隊に均等分散して配備し、訓練を続けさせる。
●米が核戦力を減少させる一方で、中国やロシアは着々と核兵器の近代化を進めている。他国はSTARTを核廃絶への道とは見ていないことは明らかである。
●米国は20年近くも核兵器に関し「調達の休日」を謳歌しているが、ロシアはTU-95 and TU-160 and ICBMを近代化し、新型空中発射巡航ミサイルを配備している。潜水艦やSLBMも開発している
●我々は堅強さと多様な能力を失いかけている。兵器量の削減リスクを管理するには、核の3本柱を近代化することによるほかない。
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人情からすれば・・・さぞかし盛り上がらないAFA総会でしょう・・。
展示ブースでは、どんな装備が中心になっているのでしょうか。恐らく日本からも多くの関係者が参加していると思うのですが。
「次期爆撃機に有人型は不要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-16-1
「次爆撃機に核任務は当面不要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-04
「序論:長距離攻撃システム構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-25
「本1長距離攻撃システム構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-26
「本2長距離攻撃システム構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-26-1
「50歳B-52は80歳まで」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-21
「B-52に1機百億円の改修か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-08
「米空軍の核戦力は大丈夫か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-16
「B-52が長距離近接航空支援を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-09-26-1