欧州米軍の削減計画

germanDM2.jpg16日、パネッタ国防長官はドメイゼール独国防相(Thomas de Maizière)をペンタゴンに迎え、米独国防相会談を行い、米軍の削減再編について理解を求めました
同日には国防省から欧州米軍の削減計画も公表され、大まかな全体像が明らかになりました。米独国防相会議の後の記者会見を米国防省HP記事より
独国防相は「独も同様の軍見直しを進めているところであり、米国の再編と近代化計画に異議はない」、「削減の影響は穏やかであり、今後も独に多くのhigh-valueな米軍が残り、米国の友人にとって独が戦略的価値を持つ事に変化はない」と述べています。
また「引き続き残る米軍人やその家族、関係職員は常に独国内で歓迎される」と
独を中心とした欧州米軍の再編は・・
欧州米軍全体では、現状の8万人を2017年には7万人にまで削減。独には2個旅団削減後も4万人の米軍が残る
独駐留の第170歩兵師団は2012年度に、第172歩兵旅団は2014年度に廃止される。両旅団は装備の近代化が成されていない部隊であり、第2ストライカー騎兵旅団など最新の部隊は残る。
独所在の陸軍第5軍団司令部を廃止し、同司令部施設をハイデルベルク所在の欧州米陸軍司令部が移転して使用する。
●独所在の米空軍第81戦闘飛行隊の廃止
●イタリア所在の603航空管制隊の廃止
●独所在の米陸軍第173空挺旅団を、在イタリアの米陸軍部隊と統合配備
germanDM.jpgパネッタ長官は、「独はアフガニスタンにおいて最大のISAF及びアフガン治安機関への支援国である」と賞賛し、「アフガンで無くなった50名の兵士に哀悼の意を捧げる」と述べ、NATO国防相会議の開催や議事でのリーダシップを発揮する独に感謝の意を表しています。
また、新国防戦略等で明らかにされたように、陸軍の旅団をローテーションで展開訓練させることにより、削減になる欧州等でのプレゼンスを維持し、同時に部隊の機動展開能力を高める「1石2鳥」施策を推進する旨を強調しています
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国際情勢と同盟関係を踏まえれば、駐留米軍が削減される時は、上記のようなやり取りや公式表現になると思うのですが・・・
沖縄や普天間絡みでは、○○恒久化阻止とか、負担軽減とか・・の言葉ばかりが先行し、安全保障議論がどこかに飛んでいます。もう少し「普通」の議論がしたいですねぇ・・・。
「ドイツも大軍縮へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-30
「欧州米空軍の苦悩と挑戦1」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-24
「欧州米空軍の苦悩と挑戦2」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-24-1
「2013年度予算案の概要会見」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-27
「トランスクリプト予算案会見」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-01-1

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