またまた、ケンドール次期国防次官(取得技術担当)がF-35について語っています。14日付「Defense-News」記事より
先日(6日)、F-35の開発試験と大量生産が同時並行で進んでいることを「悪習の最たる例」と語り、「我々はその代償を払っているのだ」と自虐的な発言をしていましたが、今度は各国が気にしている価格について、「開き直り」にも聞こえる「正直な」ご発言です。
つまり、現在想定している外国からのF-35発注数が減少すればF-35の価格は上昇する、との率直な発言です。
この発言は、おそらく国防費の削減額を巡って機能不全に陥っている議会へのアピール、つまりこれ以上削減すると大きな痛みを生ずるとの訴えでしょうが、開発パートナー国や購入検討国、日本のような購入決定国への影響に配慮がない発言です。若干は婉曲的な表現ですが、その示すところは明らかです
ゲンドール氏は講演後に記者へ
●我々の将来の国防計画(FYDP: future years defense plan)には、海外へのF-35の売却見積もりとその収益が想定されている。従って、そこに変化があれば、結果も変わってくる
●(また試験と生産の同時進行について、)同時進行のリスクを見込んで幾らかの資金を予算に組み込んであるが、その範囲を超えれば生産品に上積みしなければならないだろう
●現時点で、開発パートナー国から調達計画の修正については何も聞いていない。昨日もあるパートナー国と話し合いを持ったが、当面は計画通りだと聞いた
●我々は共同開発国に対し、当初計画通りに進むよう促している。生産量もなるべく早く軌道に乗せたいと思っている。しかし最後は各国が現状を分析し、各国にあった選択をすることになる。我々はオープンな立場で必要な情報を提供する
この発言の直接の引き金は、欧州の経済危機です。イタリアが購入指数を削減すると報道され、他の開発パートナー国であるノルウェー、デンマーク、オランダ、英国の動向が注目されているところです
なお、2013年度予算案には29機のF-35が含まれていましたが、予算削減対処と試験結果見極めと改修のため、当初の計画からは13機削減された要求数となっているところです。(生産ラインはそのままだとすると、見切り発車生産の不良品が海外へ・・・の可能性が・・)
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その価格が「青天井」と言われてはたまりません。また、米軍は手戻り覚悟で対策費を予算に計上している様ですが、これも2016年の納期を条件として足元を見られている日本には気になるところです。
国産戦闘機とご主張の皆様とは別世界のまんぐーすは、戦闘機投資を優先にした時点で奈落の底への道を歩んでいると思うのですが・・・。自ら加速して底に落ちている様な気がしてなりません
「F-35の生産開始は早すぎた」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-08
「操縦者養成開始に警告」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-02
「豪が米のF-35計画精査へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-29
「2016年にF-35を日本へ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-16
「F-35輸出商売は好調」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-27