2日、ドンリー空軍長官が空軍協会主催の朝食会に出席し、26日に発表された2013年度予算案について語りました。航空機の削減について、兵士1万人の削減について、基地閉鎖検討についてです。
ご心配の皆様・・・F-35の調達削減があるにしても、それは2020年代の調達を考える際に決断することで、今後10年に関しては(少なくとも現時点では)削減の決断は無い、との発言もありました。久々に登場のドンリー長官です。
航空機数の削減について
●マルチな役割を果たせる航空機を優先することにした。例えばF-22ではなく、多機能のF-35を選択したのが一つの例である。
●単機能のA-10を5個飛行隊、つまり総機数の3分の一を削減する代わりに、多機能のF-16を機能向上して引き続き使用する。F-35の調達が遅れても、F-16を新たに調達することはしない。改修して使用する(その他、1個F-16飛行隊と1個F-15アグレッサー飛行隊を削減)
●私は何度も何度も言うが、F-35の調達機数を決定するのは、2020年代の調達を決定するタイミングにおいてである。$487 billionの削減を念頭に置く限り、今後5年から10年の調達には変化はない。
●削減する輸送機のC-27についても、より能力が高くC-27の代替が可能な多様性のあるC-130に資源を集中することにした。直接支援任務におけるC-130の能力を我々は実際に示すことが出来た。
●残る他の輸送機は、どれも最新型のC-5M、航続距離延伸のC-17であり、複雑に多様なタイプが共存するより運用が容易になる。
この発言について専門家は
●米空軍は「維持費が生む拷問」に絶えられなくなったのだ。特殊な単機能の航空機の維持費が負担になったのだ。
●(その結果)米空軍は、個々の分野の能力がずば抜けていなくても、機能全般にある程度の能力を発揮する多機能機種を選んだのだ。空対空任務にのみ優れたF-22でなく、多機能のF-35を選択したのだ。
●次期爆撃機は多様な任務が可能な機体を目指しており、特定の任務に最適化したタイプではない。ただし爆撃機に搭載するサブシステムや兵器に投資することにより、短所を補完することが可能である
空軍兵士1万人削減関連(2月3日記事)
●今後5年間で約9900人を削減する
●現役空軍人3,900名、州兵空軍を5,100名、予備役を900名である。
基地閉鎖を認めて欲しい
●米空軍は286機を今後10年間の予算$487 billionカットで削減しようとしており、それ以前にも数百の航空機を削減した。
●しかし2005年からの基地再編において、部隊の再配分のみで基地の閉鎖は認められず、ただ単に空軍は20%もの余分なインフラを維持する状態になっている。
●基地閉鎖の決断が議会等にとって極めて困難であることは理解しているが、2013年と2015年にぜひ許可を願いたい。
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60個戦闘飛行隊から6個を削減する計画ですが、その内5個はA-10の飛行隊かもしれません。
自衛隊大嫌いの社民党の皆様でも、北海道などでは陸上自衛隊の削減に大反対するそうです。基地は仕事とお金と治安も提供してくれますからね・・。
3日公表の米空軍の体制変更計画
→http://www.airforce-magazine.com/SiteCollectionDocuments/Reports/2012/February%202012/Day03/USAF_ForceStructureChanges_0212.pdf