27日、フィリピン外務大臣であるAlbert del Rosario氏は、両国の軍事演習を増やし、フィリピンに交代で派遣される米軍数も増えるだろうと述べました。
26日に米国務省高官は、フィリピンで米比が協議を開催していると述べていたところです。
昨年当たりから米国は、ベトナムやインドネシアと歴史的な和解と関係改善に取り組み、シンガポールには新型艦艇LCS配備、豪には海兵隊2500人交代配備の方向で具体的な南シナ海を守るぞの姿勢を見せています。もちろんマレーシアやブルネイ等との協議や訓練も・・・。タイとはCobra Gold演習の充実を進めつつ・・。
もちろんASEAN諸国は微妙な立場にあり、国力や軍事的な実力で明らかな差がある中国に対して完全に反旗を翻すまでには行きませんし、経済的な依存関係が深い点からも「中国囲い込み」を公言するわけには行きません。
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「対中国ASEANの動向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-16
フィリピン外務大臣は・・・
●フィリピンと米国の双方にとって受け入れ可能で有益な方法で、更なる軍事訓練の機会を模索することは、我らの同盟を最大限に生かすための施策として明らかに優れている。
●(中国は名指しせず)領有権問題を巡り諸問題がある中、特に世界で有数の船舶航路となっている海に面している我々にとっては特に重要である
●このような協力関係強化の努力は、当地域の平和と安定の確保や経済発展を支えるバランスを達成する事に寄与するだろう
●ただし強調しておくが、フィリピンは米軍の展開を受け入れる大規模な基地を再び受け入れる予定はない。1992年以前のクラーク空軍基地のような予定はない
●米軍のプレゼンス増加とは、比と米軍の相互運用性を向上させるための共同訓練の増加、交代でのより頻繁なプレゼンスを指すモノである。
(注:過去10年あまり、フィリピン南部には米軍特殊部隊約600名が派遣されており、イスラム過激派と対峙するフィリピン軍の訓練に当たっている。米軍は直接戦闘に参加していない)
フィリピン高官は
●本年3月、両国は今回の合意事項の細部を議論するため、再び協議の機会を持つ。
比の平和研究所長Rommel Banlaoi氏は
●フィリピンは、新勢力として強硬になりつつある中国に自ら対処する力を持たないため、balance of power gameをやることになっている。
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中国を横目で身ながら難しい外交を迫られるASEAN諸国です。しかしこのフィリピンの外務大臣はなかなか良いお顔つきですね。
小国でも大国でも、誰かが立ち上がらねば人は動かないのですから、ASEANの人材にも期待いたしましょう。
「パネッタ長官初のアジアツアー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-22
「インドネシアと関係強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-23
「マレーシアと関係強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-11-10
「ASEAN Plusに参加」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-11
「中の南シナ海進出を如何に防ぐ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-07