12日、パネッタ国防長官はテキサスへ向かう機中で同行記者団に対し、先週オバマ大統領臨席のもとで公表した今後10年を見据えた新国防戦略関連の具体的な動きとして、欧州に配備している陸軍の2個戦闘旅団(brigade combat teams)を削減し、他地域からの部隊が定期的に派遣展開(Rotating Units)する方式に変更すると語りました。
米国防省HP記事のタイトルと概要は・・
「Army to Replace 2 Brigades in Europe With Rotating Units」
●先週の発表でオバマ大統領は「air-sea doctrine」を強調し、米国が1つ以上の脅威に同時対処できる態勢をより良く確保すると強調した、とパネッタ長官は再度述べた
●ただし依然として地上部隊は重要で、海兵隊も含めアフガンや朝鮮半島で、また他地域でも同盟国等との関係をつないでいる。
●我々は中東とアジアでプレゼンスを維持していく。海軍と空軍を活用するが、如何なる紛争でも地上部隊の潜在ニーズはある。
●私は、特殊部隊や海兵隊部隊のような、陸軍部隊のローテーション展開方式に興奮している。展開して訓練を行い、南米やアフリカや他国にプレゼンスを示すと共に、他国との関係を強化できるからである。
●オディエルノ陸軍参謀総長も同様の考えを持っている。特に、機動展開能力を強化できる点を非常に高く評価している。この方式は、地上部隊を将来にわたり意味あるモノにするだろう。
●欧州は結果的に、イラクやアフガンへの派遣で不在の状況が継続していた頃よりも、米軍を多く目にするだろう。
国防省高官は・・
●既に欧州の指導者には本計画を伝えてあり、米国とNATO双方にとって良いことであろうと了解を得ている。
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2月の2013年度予算案発表に向け、新国防戦略の具体的姿を、つまり、どこをどれだけ削減するかを徐々に明らかにすることで「ガス抜き」を図っているのでしょうか・・・。
「新味なき新戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-06
ところで、最近シュワルツ空軍参謀総長の言葉を聞きません。海軍トップが新態勢に向け論文や講演を行う中で、空軍の出遅れや煮え切らない態度が目立ってきたように思います。
「海軍トップが2025年の海軍を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-19
「補足:海軍トップの論文」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-20
おそらく、組織内で力を持つ戦闘機パイロットをはじめとする操縦者が、自分の職を奪われる可能性のある動きに対し、組織防衛を図っているモノと思います。または軍需産業からの横やりが強力なのかも・・。
はたまた、将来配慮が必要なサイバーや宇宙関連の支出増の飲み込みに苦労しているのでしょうか? いずれにしても、一つの鍵、不安定なF-35と運命を共にすることに成らないことを祈るばかりです。
「空軍士官候補生へ最終講義」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07