27日から試験運用を開始した中国版GPSシステム「コンパス」(Beidou system)について、各種報道を整理すると・・・
●中国は27日、独自の衛星利用測位システム「コンパス」の試験運用を開始した。試験運用では、中国と周辺地域に対して位置や時間情報を提供する。
●中国はこれまでに、測位衛星「北斗」を10基打ち上げて基本的なシステムを完成させており、位置情報を25メートル前後の精度で提供することが可能になった
●2012年には、衛星を更に6基を打ち上げてアジア太平洋全域をカバーし、同年末までに正式運用を開始して精度も10メートル前後に高める。
●2020年頃までに、計35機体制で全世界をカバーする体制を整える予定。
●27日会見した中国衛星誘導システム管理室主任の冉承其報道官によると、試験運用では中国とその周辺地域での交通誘導やカーナビなどに位置情報を提供し、災害時の救援活動にも役立てるとのこと。
●当然の事ながら、弾道ミサイルや巡航ミサイルの命中精度の向上など軍事利用も視野に入れているとみられる。
28日、米国防省のリトル報道官は
●中国が航空宇宙能力を強化する中、新しいGPSを採用することは驚くに値しない
●新技術の開発計画に沿ったモノで、我々として特に注目するには当たらない
中国は、米軍のGPSへの依存を避けたい狙いを持っていると言われている
29日付「Defense Tech」
●どれだけの米国GPS技術を、中国はスパイ活動で盗んで完成させたのだろう?
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本年最後の記事が中国関連になりました。
軍事産業関連では、サウジがボーイング社の最新型F-15を追加購入する事になったようで、日本のF-Xで破れたボーイング社にせめてもの慰め・・・との記事です。
今年1年、お付き合いいただき有り難うございました。
本年は、中国の戦闘機や空母開発騒ぎに加え、自衛隊の震災対処活動に世間の目が集まり、本質的な「脅威の変化」や「戦いの変化」にまで日本の関心が十分向きませんでした。
とどめに戦闘機偏重のシンボルF-35がなし崩し的に決定されるなど・・・。一部にサイバー戦への警鐘がありましたが・・・。
そこで来年早々の記事は、「脅威の変化」や「戦いの変化」に注目するモノを準備しております。これまでの記述の再整理が中心ですが、ぜひご覧下さい。