「国際情報センター」終了へ

sigetaH.jpg大変お世話になってきた茂田宏大使によるブログ「国際情報センター」が年内で終了します。大変残念です。以下のような茂田氏によるメッセージが掲載されています。
他のことに時間を使う必要が生じたために、このブログは本年末で終わりにする予定です。約4年続けてきましたが、ご愛読に感謝します。年末までには、主として私の日本外交に関しての考え方の一端を書こうかと考えています。」
このメッセージが12月6日に掲載された以降、茂田氏の対外政策の基本的考え方を整理するかのような、永久保存版的記事が4本掲載されています(23日現在)。いずれも冒頭部分のみご紹介します。
「戦争と平和の問題」→http://blogs.yahoo.co.jp/kokusaijoho_center/38496676.html
桜1.jpg●古川現国家戦略担当大臣が思い出を振り返り、大蔵大臣であった宮沢喜一さんが「戦争だけはしてはいけない」と訓示したと書き、そのことを肝に銘じておきたいと書いていた。
私は宮沢喜一さんのこういう発言は前提が誤っていると考えている。なぜかと言うと、日本が戦争になるかどうかは日本の選択だけにかかる問題ではないからである。そのことを心から納得して、認識することが重要である。(以下、なぜこういう空想的平和主義の議論が日本で強いのかについて議論)
「日本の武器禁輸政策」→http://blogs.yahoo.co.jp/kokusaijoho_center/38505550.html
●この政策は最近見直されつつある。私は「平和国家として外国に武器を売るべきではない」という政策は理念もない上、偽善的であり、国益を損なっていると考えている
●何故ならば日本は世界の主要な武器輸入国であるからである。米国から大量の武器を買っている。米国が武器を売ってくれないと日本の防衛は成り立たない。米武器の輸入は日本の安全のためにどんどんしている。
そういうことをしながら、日本は武器輸出していません、平和国家です、などというのは偽善的な話である。(以下、本政策を支持する福島社民党党首や猪口邦子参議院議員の矛盾を指摘
核兵器の問題」→http://blogs.yahoo.co.jp/kokusaijoho_center/38526753.html
中立国であるスエーデン、スイスも核兵器開発を行っていたが、スエーデンは1970年に核不拡散条約署名とともに開発計画を放棄し、スイスは1988年に放棄した。
これらの国は、自国の安全保障のために核兵器の保有が必要であると、一時的にではあれ判断した
「集団的自衛権と同盟政策」
→http://blogs.yahoo.co.jp/kokusaijoho_center/38514383.html
集団的自衛権は強者のための権利であるような誤解があるが、そうではない。弱者のための権利である。弱者が強国に守ってもらう、または弱者が資源をプールして共同防衛しようという権利である。今の日本のような国には必要な権利である。
その他にも、まんぐーすは茂田氏の指摘から大変多くを学びました。例えば・・
「ロシア社会の停滞と憂鬱」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-15
RussianPair.jpgロシア内でのプーチン批判が大きく報道される以前の段階で、ロシア世論調査等から露国民間の政権への不満や停滞感を分析紹介。ブレジネフ時代と似た雰囲気にあることをいち早く指摘し、ロシアの将来に疑問を投げかけたさすがの分析。
外務省ロシア課長と国際情報局長を歴任した才気が漂います。
「INF条約を廃棄すべき」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-18
茂田氏は、WSJ紙に掲載された論説「害を与える冷戦時代のミサイル条約」を紹介しつつ、米露のみがこの条約に縛られ、その間に条約外の中国、イラン、北朝鮮が米同盟国の脅威となる中距離弾道ミサイルを保有するに至っている状況に警鐘を鳴らしています。
目立つ発言を避ける最近の日本の学者からは決して聞けない正論の指摘です
「韓国への戦術核再導入議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-18-1
槍ヶ岳と高山植物.jpg韓国で行われた核兵器に関する世論調査を高く評価。更に戦略的にそれを議論することはきわめて少ないが、日本に再び核が撃ち込まれるのを防ぐというのが日本の核政策の根本であるべし。非核3原則はそれに資するか否かの観点から 評価されるべき、との考え方が表現されている。岡崎久彦氏のコメントも同時掲載
「元モサド長官イラン攻撃は」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-12
イスラエル大使経験者として、中東問題にも精力的に分析のメスを。マスメディアがイスラエルによるイラン攻撃の可能性を興味本位で取りあげる中、耳を傾けるに値する情報源のみを慎重に分析する姿勢が強く感じられます。
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smallおにぎりマングース2.jpg本年末までに、あと何回更新されるのでしょうか? 大事に読ませていただきます。
茂田大使の今後のご活躍を期待いたしましょう。
あっ・・忘れてました。大事なモノを
インテリジェンスに関する教科書の翻訳にも大きな功績を残されました!!
「インテリジェンス 機密から政策へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-22

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