再び、新たな火種になりそうな機種選定結果か・・・
22日付「Defense Tech」によれば、米空軍がアフガン空軍での使用を念頭に行っている軽攻撃機(LAS:Light Air Support)の機種選定で、選定対象から「外された」米企業が、政府機関に「除外」が適切か再調査して欲しいと訴えました。
20機の調達を念頭に開始されたLASの機種選定は、ブラジルのEmbraer社のSuper Tucano(映像)と、負けそうで訴えた米企業(HBC:Hawker Beechcraft Corporation)のAT-6の争いと言われていますが、まだ正式発表がない段階で早くも米企業から「どろ試合」宣言です。
HBCが政府の監査機関GAO:Government Accountability Officeに提出して22日公表した訴えは・・・
●我々は先週(15日の週)、米空軍からLAS選定から排除(exclude)すると連絡を受けた。その後、我々は2度にわたり米空軍にデブリーフィングを要求したが、21日2度目の拒否返答を受けた。
●我々は依然として、米空軍の性能要求書に照らして、最も優秀で効率的で継続使用可能な我々の軽攻撃機が、なぜ選定から排除されたかについて何らの情報も持っていない。
●我が社提案の排除は、選定過程や提案内容を無視した結果としか考えられない。
●GAOの再評価結果と判断を興味深くかつ楽しみにしている。
米空軍報道官は・・・
●米空軍は引き続き提案企業と緊密な連絡を取り合っている。選定作業が継続中であり、ここの提案についてコメントすることは差し控えたい。
●選定結果は11月末か12月初旬に発表予定であり、発表後、全ての提案企業にデブリーフィングを行う。
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冒頭のブラジル製LAS候補の映像でお解りのように、議論の対象は古式ゆかしいプロペラ攻撃機ですが、グラスコックピットにHUD、空対空ミサイルにデータリンクも備えたハイテク仕様のプロペラ機です。
訴えているHBC社は、A-10で使用の兵器管制システムを搭載し、LINK-16データリンクでF-16等の戦闘機と情報共有が可能と宣伝しています。
予算削減のあおりで、削減候補の一画とされるLASですが、機種選定を巡るゴタゴタには慣れっこの米空軍。今後の成り行きに注目致しましょう
「KC-X最終決定 泥沼回避か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25
「プロペラ攻撃機が復活か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-18-1
「デモ映像ブラジル攻撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-24-1