全地球をカバーする即時攻撃構想PGS(Prompt Global Strike)は、地球上全ての目標を1時間以内に攻撃可能な体制確立を目指すモノで、核弾頭を用いないCSM(Conventional Strike Missile)の開発がその成否を握っています。
その使用法についての公的な言及を把握していませんが、PSG構想にとって対テロは第2議的な対象で、主にA2ADを狙う中国等の指揮統制施設、対衛星兵器施設、弾道ミサイル施設(移動式も含む)等々を攻撃目標に想定する構想だと、まんぐーすは考えています。
つまり、A2AD側の行動を抑え、友軍の被害が拡大しないよう、時間的に暇のない目標や内陸の重要目標を攻撃対象とするシステムだと認識しています。
ただ、ICBMの弾頭を通常弾頭に取り替え、大気圏内を超音速で飛行させる方法は、相手が核ミサイル攻撃と区別が出来ないことからリスクが高いと懸念をもたれています。
また、スクラムジェットという新型推進装置を用いたHTV-2は、基礎試験の段階でもなかなか思うような成果が上げられておらず、8月11日の試験も途中で通信が途絶する失敗に終わっています。
そんな中の11月17日、AHW(Advanced Hypersonic Weapon)なる「第3のCSM」(まんぐーすの命名)試験が成功裏に行われたようです。17日付「Defense News」より
米陸軍の報道官Melinda Morgan中佐は・・・
●AHWは大気圏内を超超音速で飛翔し、マーシャル諸島の目標に命中した
●今回の試験は、空力特性、航法・誘導装置、摩擦熱防護の確認を主な目的として実施した。
●報道官はAHWの最高到達速度については言及しなかった。
本年度、国防省はPGS計画に$239.9 million予算を組んでおり、AHWには$69 millionが配分されている。
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これはノーマークでした。続報を待ちましょう!!
もちろんPGS構想自体も、国防省予算削減でどのような扱いになるか分かりませんが、核兵器と通常兵器の間を埋める兵器として、成功すれば抑止力アップが大いに期待できますので、本ページでも頻繁に取り上げてきたところです。
「パネッタ長官はPGSに期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-16
「対中国もう一つの柱PGSは」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-03
「核抑止の代替?CSMについて」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-25
「X-51Aは初期実験段階」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-23