台湾照準の1600発除去が条件

Taiwan.jpg昨日はベトナムの話題でしたが、今週末からはパネッタ長官がインドネシア、韓国、そして日本を歴訪するアジア同盟強化ツアーが開始されることもあり、引き続きアジアの話題で参ります。
本日も、ベトナムと並んで威勢のいい話(実力的には心許ないですが・・・)。18日付「Defense News」が台湾の対中国政策を司るトップが、中国に対して元気いっぱいの発言をされているのでご紹介します。
発言の主は・・
●台湾議会である立法院で対大陸政策を立案する行政院大陸委員会の委員長・大臣(Minister, Mainland Affairs Council)であるLai Shin-Yuan 博士(賴幸媛)
1956年生まれの女性で、英国の大学で国際関係や開発政策関連で博士号を取得した才媛
●台湾総統のMa Ying-jeou(馬英九)に指名され、2008年から現職に就任。それ以前は大学教授、国家安全保障会議の顧問、WTO台湾代表を歴任、大陸委員会のトップに就任する前から4年間委員を務めていた。
今回の発言は・・
馬英九総統が「60年前の中国と台湾間の戦いを正式に終わらせる平和条約締結は、今後10年以内に可能かも知れない」と述べた翌日、大陸政策責任者がその条件を語った。
Lai Shin-yuanTaiwan.jpg●これに関し賴幸媛・委員長は、「台湾に照準を合わせた約1600発のミサイルを中国が撤去することが平和条約の前提条件である」、「平和条約締結には積み重ねた相互の信頼感が必要だが、中国による(台湾正面への)膨大な軍事力展開は信頼感醸成には適さない」と述べた。
●また同委員長は、「我々は引き続き中国に対し、台湾国民に脅威を与えている軍事力展開を自主的に止めるよう促してゆく」とも述べた。
平和条約締結は中国との統一につながるのではとの懸念の質問に対しては、「条約は永続的な平和を確保するものである。台湾の目標は、両国間でのno unification, no independence and no use of forceである」と答えた。
Defense Newsは・・
中国が台湾を「再統一を待っている中国領土の一部」と見なしてる以上、平和条約は遙か彼方のお話であろう。両国間のとげとげしい関係を考えればこの問題の複雑さは明らか。
●馬政権が誕生した2008年以降、台湾と中国の関係は大きく緊張が和らいだが、平和条約となると台湾内でも議論百出であり、馬英九総統も17日、「台湾国民の同意が得られた場合にのみその方向を追求する」と再確認している。
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taiwanTyu.jpg最近の台湾国内の雰囲気を承知していないので余り背景が分かりませんが、いつの間にか台湾向け短距離弾道ミサイルは1600発になっていましたか・・・。数年前の防衛白書では1000発程度以下のカウントだったはずですが・・・。
不発やはずれを考慮して、一つの目標に10発割り当てたとしても、160個の目標を無効化できますね・・。主要軍事施設、国家指揮機能、電力、通信、燃料施設等々・・・即死ですね、国として。
「米は台湾に最新F-16売却するか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-23
「台湾空軍の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-14
「米中軍事対話と台湾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-11

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