休日企画で「話のネタ」を一つご紹介。
テレビショッピングや雑誌広告で最近目にするように英国企業「ダイソン」の製品。
従来の原理とは全く異なる原理で作動する掃除機「サイクロン」や、羽のない扇風機としてその斬新なデザインがこの夏大いに注目を浴びた「エア・マルチプライアー」を製造する企業として名前を聞かれた方も多いでしょう。
今日は10月17日号の雑誌プレジデントに掲載された、茂木健一氏によるダイソン創業者・ジェームズ・ダイソン氏へのインタビューを基にした記事からご紹介します。
20年前に創業し英国の田舎に本社を置く企業が、掃除機や扇風機と言った「成熟製品」分野で画期的な製品を生み出した背景の一端と、それを後押しした日本製造業とその強さをご覧下さい・
ブランドには興味がない
●ダイソンという名前が今や魅力を感じさせる企業名だが、ダイソン氏はブランドには興味が無く、「ある企業が消費者にどう評価されるかと言うことは、その企業が最後に出した製品が全て。ブランドなどは関係がない」と。
●ダイソン社の組織上の構成で画期的なのは、デザイナーとエンジニアの区別がないこと。むしろ全員がエンジニアと言っても良い。ダイソン氏自らがこれまで5500もの製品プロトタイプを造ったように、皆が社内で何らかの技術に取り組んでいる
フラットな会社組織
●英国の教育課程では、エンジニアが同時にデザインの視点を持つことが伝統となっている。このことがダイソン社の様な形態を取ることが可能な背景にある。
●大切なことは、いつまでも現場に居続けること・・とダイソン氏。ダイソン社の組織はフラットで、どんな役員の人も居室はなく、みんなが同じ大部屋で仕事をしている。
●手を動かすことが「偶然の幸運(セレンディピティ)」につながる。羽のない扇風機「エア・マルチプライアー」は、全く別の技術開発中に、偶然空気の流れが増幅できることを発見したことがきっかけ。
日本の強みとお陰で
●ダイソン氏が強調していたのは日本の製造業が置かれた有利な状況。英国ではほとんど消滅してしまった部品などのサプライ・チェーンが、まだまだ日本では健在な点が「大変なプラス要因」。
●ダイソン社の掃除機は、従来型モデルに固執する英国企業に拒否され製品を売り出せないでいたが、日本の会社がライセンス生産を始めたのがきっかけで製品が世に広く知られるようになった。
●日本には恐らく全てがある。無いのはほんの少しの勇気だけ。ダイソン氏の職人魂に日本人は共感する。起用に振る舞う必要など無い。
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この記事だけではダイソン社の実態が分かりませんが、田舎に本社の地道だけれど本質追究の会社なのでしょう。
でも掃除機をライセンス生産しようとした日本企業はそれだけの見る目を持っていたと言うことでしょう。
ダイソン社のwebサイト→http://www.dyson.co.jp/