3日、カートライト統合参謀副議長の送別式典が開催され、パネッタ長官、リン副長官等が列席して行われました。カートライト海兵隊大将の実際のリタイアは数週間後だそうですが、恐らく夏休み期間に入るため、早めに行われたのでしょう。
同大将の功績やパネッタ長官の送別の辞も米国防省HPに掲載されていますが、本日は同大将が最後の挨拶の中で、万感胸に迫り言葉に詰まりつつも語った中身から、印象深い部分をご紹介いたします。
(写真上は挨拶で万感胸に迫る同大将)
多様性一体化の美しさ
●私が、40年にもおよぶ軍隊生活の中で「美しい」と感じているのは、勤務の傍らに常に存在するあらゆる人種や性別や生活スタイルの融合である。このような多様性によって、我が国家はより素晴らしくあるのだと感じている。
●国防省は今後もこの多様性を拡大していくだろう。その多様性は、他省庁や他国との協力関係強化を通じて得られる多様性であり、我々に新たな手段と優位性を与えてくれる。
●我々はこの多様性を大切にすべきであり、これを恐れてはいけない。
今も尊敬する上官の言葉
(Theodore Rooseveltによる1910年の言葉)
●信頼感は、強き人物がつまずいた事を取り上げ、自分ならより良くできたと批判するような人には伴わない。
●信頼感というものは、常に現場と共にあり、その顔が埃と汗と血にまみれ、懸命に活路を開こうと努力し、間違いや足らざるところもあり、偉大な情熱と貢献を知り、値することに身を捧げ、最後になってその功績が大きな成果であったことを知り、誤ってもそれは大胆な挑戦の中にあるような・・・そのような人物にこそ信頼感は生まれる。
●勝利も敗北も知らない冷たく臆病な人物には、決して信頼感は伴わない。
任務に就く全ての後輩への言葉
●更に正しいことをせよ。批判を恐れるな。批判家のような人物を恐れるな。正しいことを実行せよ。
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パネッタ長官の送別の辞から
●彼は、類い希なる技術的かつ戦略的視点の持ち主であり、海兵隊操縦士として、また学術的経験から生まれる知性が、彼の足跡のそこかしこにその跡が見て取れる。
●前職がCIA長官であった私が確信を持って言える。彼の前例にこだわらない積極的な姿勢が、CIAと軍との協力関係を活性化させ大きな成果を上げている。その一つがビンラディン作戦の成功である。
●カートライト大将は地位ある人にも果敢に挑み、異なる見解を決して恐れなかった。彼の頭脳による精力的な分析結果は、疑い深い4軍や議会、更にはホワイトハウスの人間をも説得しうるものであった。
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「なぜ空軍の次期爆撃機に有人タイプが必要なのか理解できない」との発言が最近注目を集めたところですが、なるほど「押しの強い方」だったようですね。
でも、予算関連の発表会見には必ずゲーツ長官と共に登場し、記者達に短節かつ分かりやすい対応をされていたのが印象的です。
「次期爆撃機に有人型は不要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-16-1
4日には後任のJamea A. Winnefeld海軍大将が就任式を行っています。聖書を持っているのは、奥様のMaryさんです。
どのような方かは、また機会を見てご紹介いたしましょう。