リン副長官インタビュー

lynn_315.jpg17日付「Defense News」がリン国防副長官のインタビューを掲載しています。2年半の勤務を終えて退任を表明し、後任者が決まるまでの続投に合意した副長官ですが、Younng家族との時間を持ちたいとの理由での退任です。この「若い家族」とは・・・奥さんが若くて子供さんも小さいのか・・・その辺りはプライベートな事なので。
副長官の業務守備範囲を反映し、インタビュー内容は多岐にわたっていますが、サイバー、産業基盤、予算削減関連部分の一部を紹介します。
Wikileaksで問題となった内部漏洩をどうする?
●同事案が発生後、内部の人間による漏洩を防ぐため、我々は多くの手段を講じた
例えばデータを分割して保存することにより、データ全体の流失を防ぐなど。また、非公開データを通常のメディアにダウンロード困難にする措置を執った
NATO同盟国の消極的な姿勢で、サイバー能力に差がありすぎでは
まぁ・・NATOは事案対処センターを保有しており、現在は常時オープンしているわけではないが、24時間運用態勢にするようリスボンサミットで合意した。
約35兆円を12年間で削減する目算は? 
ゲーツ長官が死守(fence-ring)すると言ったF-35,KC-46,海軍艦艇のほかには?
予算全体の5%を削減する大変厳しいものである。途方もない犠牲を強いるものである。
●貴方の使用した「fence-ring」との表現は強すぎる。私はより重要だと思うが、絶対的なものとは考えていない。他の分野に比べれば変更の可能性は小さいが、多少の変更可能性は残されている
●他に我々は、司令部機能の重複削減、補給施設の統合、後方分野の合理化、高級幹部の削減、IT関連予算の精査(クラウドを活用し、サーバー等管理容認を削減等)を通じて組織の効率化や省予算化を進めている。
軍需産業基盤の状況をどう見ているか?
lynnCyberSTRTGY.jpg●様々な調査を行った結果、最大の教訓は、産業構造の末端に位置する小規模な企業にもっと注目すべきだと言うことである。
小規模な末端企業ほど、代替の効かない独自の技術を保有していながら、大企業の動向に隠れていた(保護なり支援施策が行き届かなかった)部分がある
●(海軍が次の空母調達を遅らせるとの情報があるが?)ここの装備品についてどのような状況にあるかは十分に承知していないが、表面に出る大企業だけでなく、産業界全体への影響を見極めなければならない。
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NATOは相変わらずですね・・・まあ経済3位と4位のイタリアとスペインの通貨までが売られる状況ですから、引き締めてもらわないといけないのですが・・。
35兆円削減が70兆円になるとか、オバマが共和党と妥協するとか・・いろいろ噂がありますが、最後まで分からないのでしょう。
リン副長官の功績
「脅威の見方を変えよ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-09
「グアム島の住民と対話も」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-28
「国防省サイバー戦略発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-15
「googleとサイバー戦を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-18
「NATOとのサイバー協力強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-26
「サイバー国際戦略を発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-17
「サイバー戦略5本の柱」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-20-1
「宇宙態勢見直し作成中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-15-1
「国家安全保障宇宙戦略:NSSS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-05
「KC-X決定 泥沼回避か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25
「人命直結の燃料節約」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-02

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