アフガン撤収計画発表を受けて

afgancerelast.jpg22日、オバマ米大統領が発表した、本年末までに1万人、2012年9月までに3.3万人のアフガニスタン駐留米軍を撤退させる計画は、低迷する経済を背景に厭戦ムードが広がる米世論に配慮し、アフガンの治安より12年11月の大統領選を視野に国内世論を重視した内容・・・との下馬評です。
オバマ政権はこれまでバイデン副大統領らを中心とする早期の大規模撤退を主張するグループと、治安維持への懸念から初期の撤退を最小限に抑えたいゲーツ国防長官や米軍高官に分かれ、つばぜり合いを演じていたと伝えられているところ、ゲーツ長官の退任もこの辺りが背景にありそうです。
ゲーツ長官は、大統領の発表を受け、短いコメントを発表しています。
Over the past 18 months our troops have made tremendous progress degrading the capability of the Taliban while enhancing the Afghan security forces. It is critical that we continue to aggressively prosecute that strategy. I support the President’s decision because it provides our commanders with enough resources, time and, perhaps most importantly, flexibility to bring the surge to a successful conclusion.
finalpress2.jpg過去18ヶ月にわたり、我々はタリバンの能力を減殺させることに多大な成果を収め、アフガン治安機関の能力育成を加速させた。今後ともこの戦略をどん欲に継続追求することが極めて重要である。
私は大統領の決断を支持する。なぜならそれは、各指揮官に十分な資源と時間、そして恐らく最も重要な、成功に満ちた結末に導く柔軟性を備えているからである。
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parademari2.jpg短いコメントだけに意味深です。
ゲーツ長官が肖像画を掲げるマーシャル将軍(戦後復興のマーシャルプランでお馴染みのマーシャル国務長官でもある)の姿勢に習い、上司の指示には、率直な意見は述べるが、決断には粛々と従う・・・との美学の追究でしょうか。

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