6月20日「中国軍の先制攻撃戦略」として読売新聞電子版14時41分付の記事が報じたRAND研究所のレポートは、以下の記事でご紹介したモノです。
//////////////////////////////////////////////////////////
2月21日RAND研究所が、中国と台湾間の紛争を例に、中国空軍の将来に関するレポート「Shaking the Heavens and Splitting the Earth: Chinese Air Force Employment Concepts in the 21st Century」を発表しました。
中国軍との紛争様相についてはこれまでCSBAのレポートを中心にお伝えしてきましたが、RANDの公式コメントからは、政府系のRAND研究所もCSBAと同様の結論に至りつつある様子が窺えます。
つまり、空軍機のみならず、弾道ミサイルや巡航ミサイルを多用し、併せてサイバー攻撃や電子妨害で、初動で西太平洋地域の米軍へ強烈な一撃を与え、中国が作戦の主導権を握ることを狙っている、との見積もりをRANDも採用したようです。
公式発表コメント と レポートのサマリー
公式プレスリリースより
●約10年前、中国空軍は大部分がアンティークとも言える1950年代ソ連製の兵器を、疑問符の付く要員訓練で運用していた。しかし10数年を経て今や、近代的で高い能力を持った空軍への道を歩んでいる。
●レポート作成のリーダーであるRoger Cliff(写真左)によれば、中国の軍事情報筋や文献調査から明らかになってきたのは、例えば、航空優勢獲得面でも米国の優位性を認識した中国は、米国等の敵航空機が離陸する前に地上で破壊することに重きを置いている点である。
●またレポートでは、中国が航空優勢を、敵の地上防空システムや防空指揮統制システムを破壊することでも獲得しようとしていることが示されている。
●中国は米国相手に完全な航空優勢が獲得できるとは考えておらず、戦域や戦術レベルの目的達成が出来ればよいと考えている模様である。
●RANDの研究者によると、中国空軍は伝統的に防衛を中心にしてきたが、今日それは当てはまらない。紛争時は攻撃的に行動し、弾道ミサイルや巡航ミサイルとの組み合わせで攻撃を行うであろう。
●これらの結果、冷戦終結以降米軍が享受してきた、相手の攻撃からの「聖域」としての西太平洋地域の基地はもはや期待できなくなる。
●仮に米国が台湾と中国の紛争に介入するとしたら、日本を含む西太平洋地域の米軍施設が中国の攻撃対象になるだろう。
●上記のケースでは、米軍ネットワークはサイバー攻撃にさらされるであろう。
●紛争間、米軍は冷戦終盤時以上の激しい電子妨害に備えるべきであろう。
//////////////////////////////////////////
サマリーも十分には読んでいませんが、CSBAレポートと方向性は同じです。
いつまでも戦闘機にこだわっていては、米国軍需産業の餌食になるだけだと思うのですが・・・日本は・・・
Air-Sea Battle関連記事
「CSBA中国対処構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18
「2CSBA中国対処構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-20
「3CSBA中国対処構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-20-1
「4CSBA中国対処構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-21
「5CSBA中国対処構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-21-1
「6CSBA中国対処構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-24
「最後CSBA中国対処構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-30
「番外CSBA中国対処構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-02-1
「Air-Sea Battleの状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-23-1
「Air-Sea Battleの起源」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-24-1
コメント