パネッタ氏はPGSに期待

panettaleN.jpg上院軍事委員会に提出した所信ペーパーで、パネッタ次期国防長官がPGS(prompt global strike)構想を強く支持していた模様です。
各種記事では、PGSにConventionalを付けてCPGSと呼称しているものも有りますが、まんぐーすはインク節約のためPGSのままで行きます。
↓ ↓ ↓ PGS(prompt global strike)構想とは・ ↓ ↓ ↓・・
「核抑止の代替?PGSとCSMとは」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-25
パネッタ氏は書面で(15日付DefenseTech・・・
●PGSは、対処に時間的余裕がなく、遠方で到達が困難な目標に対処する他に比類するものがない通常弾頭攻撃を可能にするものである。私の理解では、即時に地球全土をカバーするものは現時点で核弾道ミサイルしかない。このPGSは大統領に極めて有益なオプションを提供するものである。
●PGSは、大量破壊兵器により我の高価値施設を攻撃しようとする敵対者に対する有効な対処手段となる。PGSは、他が到達し得ない重大で余裕がない脅威に適応可能な唯一のシステムである。
一方でPGSの具体的システムは・・・
X-51_WaveRider.jpg●空軍は、ICBMに非核弾頭を搭載したものでは計画していないと語っている。一番の問題は、このタイプのPGSシステムは、核弾頭搭載のICBM攻撃と誤解される恐れが高く、使用のリスクが高い点にある。
●そこで空軍は超超音速飛行が可能な飛翔体開発に取り組んでいる。X-51A・Waveriderはスクラムジェットを使用して速度マック6で飛行し、目標に到達するもので、兵器化に向けて初期段階の試験が行われている。
●一方で、X-51A開発に必要な資金が確保できるかについては懐疑的な見方が多い。F-35、次期空中給油機KC-46A、SSBN-X、LRS各種システム、陸軍海兵隊の装備更新等々、資金が必要な装備が目白押しだからである。
期待が集まるX-51Aの2回目の試験は・・・
6月13日に行われた発射試験の結果は「成功には至らなかった」である。B-52から投下され、ロケットブースターでマック5まで加速に成功し、JP-7を燃焼させてスクラムジェット飛行に移行しようとしたが、数度試みたがJP-7に点火できなかった。
●空軍研究所やボーイング、Pratt-Whitney社の関係者は、膨大な実験データが得られたため、完全な失敗ではないが、今回を含め2回の飛行実験で、一回はスクラムジェットに点火し、一回は点火できなかった。原因を分析する。試験毎に成功に近づいているとコメントした。
X-51Awaverider.jpg昨年のエンジンに点火できた試験では、エンジン組み立ての不具合から燃焼の炎が燃焼室外に漏れ、回線や配管を損傷したため、自爆措置が執られた。300秒の飛行予定だったが、146秒時点で試験が終了した。
●試験用のX-51Aは4機作成されているが、次の試験は本年秋に予定されている。
PGSの必要性に疑問も14日付DefenseNews
●PGSやX-51Aがニッチな装備で開発する必要性に疑問を持つ関係者もいる。それよりも現有の海上発射型のミサイルやその改良型を活用することで対処できるのではないか、との意見もある。
●一方で、INF(中距離核兵器制限条約)が規定する中距離の運搬手段制限に抵触するので、海上発射型は問題がある、とする研究者もいる。
●費用面では、X-51Aが膨大な開発費を必要とすると懸念がある一方で、そんなものは今の段階で判断できないとの論者もいる。
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極東の我々としては、北朝鮮の核や弾道ミサイル対応にPGSが有れば安心出来るのに・・・と思うのですが。 米国もお金がないし、無理は言えないんでしょうか・・B-2とかF-22とか、F-16にでも踏ん張っていただきましょう。
いや・・・北相手ならICBMの先に通常弾頭でもOKですよねぇ・・・。たぶん見てないし。
PGS関連の過去記事
「核抑止の代替?CSMについて」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-25
「X-51Aは初期実験段階」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-23
「PGSのHTV-2試験失敗」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-27
「廃物利用のロケット打上げ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-28
「X-37Bをご存じですか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-20

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