4段階で35兆円削減に挑む

gatesmullenbgt.jpg18日、ゲーツ国防長官とマレン統合参謀本部議長が記者会見に臨み、4月13日にオバマ大統領が宣言した2025年までの間に安全保障関係予算を約35兆円($400billion)削減する件に関しする国防省の検討方針を明らかにしました。
19日付「DODBuzz」記事より また トランスクリプトも
●まず第一に・・
昨年始めた国防省の業務の効率性を更に高める方向で更に努力を続ける。この段階では、軍事的能力への影響を最小限にとどめることが出来る。さらに貪欲に官僚機構的無駄や余計な経費にメスを入れることが、根本的な国家戦略や軍事能力に手をつける前に成される必要がある。(additional efficiencies, continuing the efforts we launched last year)
●次の段階として・・・
第一段階で十分な削減額が弾き出せない場合には、国防予算の増加の大きな原因となっている既存の政策、計画、手順や規定事項に手をつけることになる。医療費、軍人への各種補償、退役者への便宜供与、施設維持費や各種サービス経費が視野の一部にある。(serious examination of established policies, programs, processes and mandates)
●第3段階として・・
まれなケースや活用する場面が限られコストのかかるような能力や任務付与を縮減又は削除し、経費を浮かせる。現在国防省が実施中のミッションでも、優先度が低く中核的とは言えない任務を対象とする。(reduce or eliminate marginal missions and marginal capabilities)
●最終第4段階として・・・
戦略的に最も困難な段階であるが、QDRに示された戦略を修正し、現戦略を遂行するのに必要な戦力構造や能力を削減する。(alternative modifications to the QDR strategy that translate into options for reductions in force structure or capability needed to execute the strategy)
gatesmullenbgt2.jpgこのプロセス全ては大統領や議会にオプションとして周知しなければ成らず、国家として予算削減のリスクを甘受する意志が示される必要がある。これら見直しのプロセスは、政策担当国防次官、統合参謀本部議長、そしてコスト管理計画評価局長による共同作業で行われる。
ゲーツ長官は、給与や手当、医療費にまで言及したが、次期空中給油機、F-35、次期戦略原潜についてはあえて検討対象とは言及しなかった。言及しなかったから「聖域」とは保障できないが・・・。
2つの大規模紛争対処の前提を外すのか、欧州の空軍や陸軍を削減か、陸軍と海兵隊規模への影響は、部外契約業務や各諸省のなわばり、官僚機能にどの程度メスを入れられるのだろうか。
marginal missions」とは何を意味するのだろう・・・
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「the hardest category strategically — and I would say also intellectually — will be specific alternative modifications to the QDR strategy that translate into options for reductions in force structure or capability needed to execute the strategy」
最も困難なカテゴリー、知的に表現すれば、・・・・・戦力や能力削減とも表現できるQDR戦略の微修正という代替案・・。ゲーツ長官の精一杯のジョークなんでしょうか
35兆円削減宣言と対応姿勢
「オバマ35兆円削減宣言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-05
「更なる削減要求に備え」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-23
ゲーツ長官の過去の削減策
「14兆円精査案で政府議会と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-07
「ゲーツの取得開発改革指針」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-15-1
「国防省と議会にも宣戦布告」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-09
「アイゼンハワー・ライブラリ演説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-11

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