米国科学者協会(Federation of American Scientists)が、国防省の依頼で議会にF-35開発状況を定期的に報告するレポートをまとめました。
「Selected Acquisition Report for the F-35」との53ページのレポートで、コストや性能について評価している模様です。
Defense Tech13日付記事は同レポートを紹介し・・・
●現状での概算見積もりでは、戦闘行動半径要求値590マイルが満たされず、6マイル不足する模様である。
●エンジン排気の使用法や燃料搭載量等が最終的に確定していない段階での試算であるが、当初開発関係者が予期していた690マイルを大きく下回る。
●戦闘行動半径は海軍用F-35Cが615マイル、海兵隊用F-35Bが470マイルであることを考えると、F-35Aはその中間に成り下がることになる
●原因として指摘されているのは、エンジンや搭載電子機器が予定より高温になり、その冷却用にエンジンに負担をかけて空気を送り込む必要が生じた点があげられている。
●また燃料タンク容量が計画より小さくなったことや、ターゲティングポッドの空気抵抗が予定よりも大きくなったことが指摘されている。
●同レポートは、6マイルの不足については燃料タンクの容量を増すことで対応可能としているが、そのほかに燃料取り出し口の位置を変えて使い切れる燃料量を多くする案や空中給油の方法変更、戦闘行動半径計算手法の再精査などが考えられている。
///////////////////////////////////////
こういう話を聞くと、新しい飛行機の設計の難しさを改めて感じます。全てが複雑に絡み合い・・・小さな変更が全体に影響する世界です。
それにしても、590マイルの最低基準を満たすのはともかくとして、当初見積もりの690マイルとの差は問題ないのでしょうか?? 海軍用より足が短いなんて・・・何か恥ずかしい気がしますが・・。
これを買わされる共同開発国やその他の国もたまりませんね・・・。
F-35関連記事
「米空軍F-35Aは17年運用開始?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-24
「飴付きF-35の新契約」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-25-1
「戦術核を搭載するか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-06
「イスラエルがF-35で苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-01
「新責任者は海軍から」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-25
「ソフト開発がネック」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-11