不確さが柔軟性を求める

「ベトナム戦争以来、次にどこで軍事力を使用するかの予想において、我が国の指導者は完璧な記録を更新している。つまり完璧に外し続けているのだ」
6日ゲーツ国防長官はF-15Eストライクイーグルを保有するSeymour Johnson空軍基地を訪問し、約450名の兵士の前で「不確実性の中に求められる柔軟性」について語りました。
ゲーツ長官は続けて・・・他の話題と質疑応答も含むトランスクリプトはこちら
gateF-15E-2.jpg●我々はただ単に知ることが出来ないのだ。だから我々は(多様な事態に)準備しなければならないのだ
●このような完全な記録保持者である我々は、購入する装備や研究開発する能力は多様な事態を想定したモノであるべきである特に財政状況が厳しい時、我々は可能な限り多様な紛争に対処できるような、最大限に柔軟性を備えた能力(装備)を導入しなければならない。
●例えば2008年の秋、当時のコンドリーサ・ライス国務長官は私にこんな調子で話してくれた・・「海賊?海賊って・・そんなのがまだいるの?
●ライス長官が悪いのではない。国防長官で海賊対処に当たったのはトーマス・ジェファーソン以来だからだ(場内爆笑)。
20世紀において我が国は4回大規模な軍縮を行った。第1次と対2次大戦後、ベトナム戦後そして冷戦終了後である。いずれも当時の人々は「世界が変わった」「脅威は去った」と考えたのだ。
しかし人間は変わらなかった常に落とし穴はあり、侵略者や専制君主はいつの時代にも現れた。どのような未来が待ち受けているか知るよしもないのだから、将来に向けても米国は軍事力を維持しなければならない。
gateF-15E.jpg●国家財政の負債は大きな問題である。国防省は負債削減のために役割を果たさなければならない。そしてより節約しなければならない。特に施設面や医療費関連分野で
議会とホワイトハウスには、シナリオに沿ったオプションを提示し、どこにリスクが伴うかを理解した上で判断してもらえるように検討を実施したい。単なる帳尻あわせではあっては成らない
●提示するオプションは現実的で、これだけ削減するならこの前提を変えなければ、またはこれだけのリスクを引き受ける覚悟が必要等々を明らかにすべきである。米国はこれらを知的に行うべきであり、国防省は国家安全保障を低下させることの無いよう、自らに与えられた検討を行う。
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1967年1月4日に空軍少尉に任官して以来、私は空軍の我が国安全保障に対する素晴らしい貢献を見つめてきた・・・とゲーツ長官は語りかけ、労をねぎらっています。
gatesnavyIND.jpgまた同日海軍基地に空母インディペンデンスも訪問し、兵士に語りかけています。「私の国防長官としての最後の海軍訪問である・・」と・・
「do it intelligently」・・知的に行うべき・・の反対は「政治力」「裏工作」「メディアへのリーク」「軍種のエゴ」「政軍の癒着」等々が絡まない、国を思う信念に支えられた検討なのでしょう。
「更なる予算削減に備えて」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-23
「オバマ35兆円削減宣言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-05
「14兆円精査案で政府議会と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-07
「ゲーツの取得開発改革指針」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-15-1
「本ブログ過去の主要記事一覧」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-23

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