次の統参議長候補が語る

30日から段階的に31日にかけ、国連決議に基づく対リビア攻撃の主導権が、米国からNATOに移管されます。
30日時点で、米、英、カナダ、ベルギー、デンマーク、スペイン、オランダがNATO采配下にアセットを置いた、と30日付DefenseNewsは報じており、31日には28カ国全てがNATOの指揮を受けることになるようです。
トルコは攻撃自体に懸念を示し、順メンバーのフランスはNATOへの移管に難色を示したようですが、落ち着くところに落ち着いたようです。そこで本日は・・・
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Stavridis2.jpg29日、次期統合参謀本部議長の最有力候補とされているスタブリディス海軍大将(Adm. James G. Stavridis 米欧州軍司令官及び欧州NATO最高司令官 commander of Eucom and NATO’s supreme allied commander for Europe)が上院軍事委員会で証言し、NATOがリードすることになったリビア作戦や、アフガン作戦への貢献について「そつなく」説明しています。
NATOにリード役が移った対リビア作戦の指揮を、イタリアのナプルス基地からカナダの空軍中将が取っていることを初めて知りました。
対リビア作戦について
リビアにおける軍事作戦の目的は明確である。それはカダフィー軍の攻撃からリビア国民を守ることである。オバマ大統領や世界の指導者が掲げる政治的目標、つまりカダフィー大佐の退任等とは直接はリンクしないが、時間の経過と共につながっていくものである。
●対リビア作戦で私は2つの任務を負っている一つは米欧州軍司令官として、米アフリカ軍司令官が行う作戦を支えることである。他の一つは欧州NATOの最高軍事司令官として、作戦行動を行うことである。
●リビア作戦では、7日前から武器の禁輸を実行しており、飛行禁止空域の設定も行った。今後24から48時間でリビア国民の保護を確たるものにしたい。
Stavridis.jpgNATOの作戦は、統合任務部隊指揮官でイタリアのナプルスから指揮しているカナダ空軍バウチャード中将(Lt. Gen. Charles Bouchard)が司り、ベルギーのSHAPEで私が戦略的な面を采配する。これらの動きはNATOの政治レベルであるNorth Atlantic Councilでチェックされる。そしてそれらの行動は、国連の決議に基づいて行われる。
●本日現在、対リビア作戦にはアラブ諸国を含む28カ国が集結している。艦船は約40隻参戦しているが、その中で米艦船は12隻のみである。
時に摩擦も生じるが、時間をかけて話し合い、よりよいアイディアを生み出すようにしている。一国よりも皆のアイデアを集めた方が良い案が出る。
アフガン作戦について
●アフガンで活動する米軍以外の約4万5千人のうち、約8割が欧州からの参加者であり、米軍兵士約9万8千人と共に行動している。
欧州米軍について
●欧州米軍は地域の51カ国と軍事関係を持っており、昨年だけで33回の演習を行い、5万人が参加している。
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参考過去記事
「(噂)次の統合参謀本部議長」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-12
Stavridis3.jpgスタブリディス海軍大将(経歴表はこちら)は、海軍士官学校、海軍大学、国防大学を全て成績優秀者として卒業、水上艦艇の艦長としてもその優れた指揮官ぶりで2回表彰されている人物です。
また、学問分野でもフレチャースクールを最優秀学生で卒業し、国際関係論分野の博士号を取得している逸材です。
今回のリビア作戦が落ち着けば、次期統合参謀本部議長候補としての評価が一層高まることになるでしょう。

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