オバマ大統領による2012年度予算案の提出を受け、14日午後2時(日本時間15日午前5時)からゲーツ国防長官が国防省分の予算案について説明する会見が行われました。
しかししかし・・・。ゲーツ長官の口から出たのは「2011年度予算の不足」の訴えと「F-35の第2エンジン絶対阻止」の決意表明でした。
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2011年度予算の不十分な配分について
●オバマ大統領は2011年度国防予算に5490億ドルを要求したが、議会による決議(continuing resolution)により、現状のままでは5260億ドルしか国防省に配分されないことになってしまう。
●もう既に新年度に入り5ヶ月が経過した段階で、230億ドルもの削減は任務遂行に破滅的な影響を及ぼす。厳しい経済状況から全額は困難としても、せめて5400億ドル無いと国家安全保障や世界各地における国益維持が危機にさらされる。
●今日この問題を取り上げたのは、最近、現実世界からかけ離れた単純な数式に基づく国防予算の大幅削減論がまかり通っているからだ。軍の能力維持やリスク、国益維持に必要な能力に関する真剣な考察無しに進む議論に強い懸念を覚えるからだ。
F-35の第2エンジン問題
●昨年5月28日オバマ大統領が発出した声明にあるように、必要のないF-35第2エンジン研究開発の中止を議会に求める。大統領は拒否権を発動することを明確に表明している。
●議会の曖昧な指示により、納税者の貴重な税金が毎月2800万ドルもこの開発につぎ込まれているのだ。
●私はあらゆる法的手段を用いてもこのエンジン開発を中止させたいと考えている。そうでなければ30億ドルもの税金が無駄になり、優先度の高い事業が行えなくなる。
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正直なところ、2011年度予算に関する部分はよく理解していません。米国の予算制度を十分理解していないので・・・
2012年度予算に関しては、ゲーツ長官の後で担当の国防省幹部と中将が補足会見を行っています。その内容がはっきりしないのでこの辺でご勘弁を。
経費縮減関連
「14兆円精査案で政府議会と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-07
「兵士と将来に9兆円捻出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-29
「11万人削減案を長官へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-26
「国防省コストカット」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-30-1
「ゲーツの取得開発改革指針」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-15-1
「ゲーツ改革のまとめ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-17
「ゲーツ長官が国防省と議会にも宣戦布告」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-09
「(補足)アイゼンハワー・ライブラリ演説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-11
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