同性愛者の米軍取り扱い変更問題

gatesDADT.jpg30日、ゲーツ国防長官とマレン統合参謀本部議長、並びに同性愛者の「言わない、聞かない政策(DADT)」の変更に伴う問題等を調査してきた調査委員会の2名が記者会見を行い、現在の「言わない、聞かない」政策変更により短期的な混乱はあるが、長期的には軍は政策変更のインパクトをハンドリングできる、と述べました同時に、必要な準備や施策の検討を十分行う必要があると強調しています。
Holylandは、ゲーツ長官やマレン議長がオバマ大統領の同性愛者の公開受け入れ方針を個人的に支持しているとは思いません。恐らく反対なのでしょう・・・。でも、そんな中でも兵士のことを考えて必要な意見を言い、議論し、しかし最後に大統領がその方針ならば粛々と従う・・・そんな姿勢と意見の述べ方を学びたいと考えています。
記者会見概要会見トランスクリプト
記者会見でゲーツ長官は
●この種の権利は、我々が最も尊重しなければ権利であろう。
●今米国軍は2つの大規模な紛争を戦っており、兵士や家族に大きな負担が掛かっている。私がほぼ4年前に国防長官に就任して以来、前線で戦う兵士とその家族の幸福が私が決断を下す上での第一の基準である。そして本件についても同様である。(DADT撤廃は)軍隊の能力に重大なリスクを与えないような方法で実施すべきであり、それは可能と考える。
もしDADTが撤廃されるなら、兵士の士気や団結、そして部隊の戦闘力への影響を最低限に抑える配慮の上で実施されるべきである、との結論を私は得た。私の見る限り、DADT撤廃に伴う部隊の懸念は乗り越えられないほどのモノではない。
●ただし、最前線で戦い兵士の能力発揮に危険で破滅的な結果を招かないように、十分に準備された豊富な施策が欠かせないと調査結果は示している
gatesDADT2.jpg●私は調査委員会に、DADT撤廃についての投票を行うのではなく、如何に変更をうまく行うかのアイデアを募るよう要望した。DADT撤廃に備えるには、兵士や家族の意見に耳を傾け、対処すべき問題や課題を明らかにしなければならないと考えたからだ。
調査の結果、軍の2/3以上が、同性愛者がオープンに勤務することに反対しないと回答している。そして大部分が短期的な混乱を予期しつつも、長期的には対応しうるとの印象を持っている。
陸軍と海兵隊の戦闘職種や海軍と空軍の特殊部隊の中に、DADT撤廃に大きな反対意見があることを調査結果が示しており、私と4軍の長はこの結果に依然として懸念と心配を抱いている。
●DADT撤廃により、異性間の夫婦や男女関係を規定してきた各種規則や福利厚生施策、例えば住宅供与などの扱いがどのように適応されるのかが大きな懸念になっているが、これについては現行の規則を適用を基本とすることで運用可能との調査結果を得ている。同性愛者に対しても、異性愛者と同様の扱いがなされなければならない。
もちろんいくつかの規則変更は必要であり、また重要なのは本件に関する教育と各指揮官のリーダーシップである。
●私は議会に対し、DADT撤廃が実行される前に、行政府や軍に対し、軍の有効性を損なうこと無しにDADT撤廃が出来ることを証明するように求めるよう要望する(議会が国防省と軍に対し、準備をする時間を正式に与えることを指すモノと推測)。今求められているのは、政策変更に対する十分な準備と熟慮された政策実行である。
●調査委員会がロードマップを示したように、軍には教育訓練と指揮官の意識改革のために十分な時間と準備を与え、DADT撤廃を実行する必要がある。
マレン議長はゲーツ長官に補足し
●調査委員会は賛成反対様々な兵士とその家族から意見を聴取した。その中には現役の同性愛者も含まれている。
●もし変更が行われても、我々は前進を続けなければならないし、兵士とその家族は国防長官や私にそれを望んでいる。米国民も同様だろう。
●これは紛れもなく、複雑で社会的で文化的な課題である。しかし我々は最終的に、国民の代表者が決めた命令に従う義務を負っている。//////////////////////////////////
いつか日本でもこの問題を議論すべき時が来るのでしょうか・・・。大変な世の中になりました。動物の世界にも同性愛ってあるんでしょうか・・・。
(おまけ)
「Wikileals」に外交公電が漏洩掲載された件についてのゲーツ長官の発言
「困ったことかと問われれば、イエスだ。不手際なことかと問われれば、イエスだ。しかし米国の国益への影響を問われれば、それほどでもない(fairly modest)と私は答える

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