(最終更新)ショパン国際ピアノコンクール

Chopin1849at39.jpgchopin1.jpg急に涼しくなって文化芸術の神経が少し刺激されたので、柄にもなくクラシック音楽コンクールの最高峰の一つ、「フレデリック・ショパン国際ピアノコンクール」の話題を紹介させていただきます。5年に一度しか開催されない本コンクールが、ショパン生誕200年の記念の年に、10月2日から23日までワルシャワで開かれるからです。
写真は1894年ショパン39才・死亡年のもの
どんなスターが誕生するのか。日本からも17人の若手が参加する同コンクールの魅力を、17日付読売新聞記事を中心に紹介いたします。
ショパンコンクールとは・・
1927年に第1回が開かれた歴史あるコンクールで、エリザベート王妃国際音楽コンクール、チャイコフスキー国際コンクールと合わせて世界三大ピアノコンクールとも言われています。
今回も3次の予選を経て10人に絞り込まれた出場者が、本選でオーケストラと協奏曲を共演し、最終順位が決まります。(写真は85年1位のブーニン
chopin2.jpg●ショパン・コンクールはもともと、楽譜のパレデフスキ・バージョンにみられるようなショパン演奏の過ちを矯正することを目的のひとつとしていました。
楽譜に関しては、必要に応じて自分好みになおしてしまっていたパレデフスキのエディションをもとに戻し、ショパン本来の意図を再現するという大目的がありました。現在ではパレデフスキ・スタイルはかなり駆逐され、ナショナル・エディションの刊行がなったことで、これらの目的は、ある程度、達せられたといえそうです。
そしてこのようなコンクールの目的から、審査員はショパンの演奏や研究に情熱を傾けるポーランド人が主体に選ばれてきた経緯があります。
●日本では65年、当時21歳だった中村紘子の4位入賞をきっかけにその名が知られました。日本人の主な上位入賞者は、中村のほかに内田光子(70年、2位)、海老彰子(80年、5位)、小山実稚恵(85年、4位)、横山幸雄(90年、3位)、関本昌平と山本貴志(2005年、共に4位)らがいます。
●5年ごとに開かれるショパンコンクールは、作曲家の生まれ故郷でショパンの曲のみを弾いて、その音楽性を競うものです。ピアニストのレパートリーに欠かせないショパンの人気に加え、戦後はマルタ・アルゲリッチ(アルゼンチン)やマウリツィオ・ポリーニ(イタリア)ら、多くの世界的ピアニストを世に送り、その地位を不動のものにしました。
今年のコンクールの参加者は・・・
第16回となる今回は、世界各国から17歳から30歳までの355人が応募。4月にワルシャワで行われた予備審査を通過した81人が、10月のコンクールで腕を競います
chopin3.jpg日本人出場者は17人(アメリカとの二重国籍者1人を含む)で、地元のポーランド(7人)やアメリカ(5人)、フランス(4人)などを大きくしのぎ、国別でもロシア(12人)を上回る「最大勢力」になりました。
●国・地域別に見ても、日本のほか中国(8人)、台湾(5人)、韓国(4人)など、アジア出身者が全体の4割強を占める勢いです
●1985年に4位に入賞し、今回、審査員を務めるピアニストの小山実稚恵(写真)さんは、「アジア各国で本格的な英才教育が定着し、若手が実力をつけてきている。テクニック面では欧米勢に見劣りしない」と分析しています。
審査方法の変更に取り組む
chopin4.jpg●伝統と権威を誇るショパンコンクールですが、運営や採点方法が大きく変わった点も注目されています。今回から審査員の顔ぶれを一新し、12人の審査員の過半数を占め、自国に甘いとの批判もあったポーランド出身者を半数以下に減らし、現役で活躍する有名ピアニストを海外から多く招くことにしました。
●さらに審査の透明性を確保するため、従来秘密のベールに包まれていた各審査員の採点表を、審査員の同意があれば終了後に公開できるようにするようです。そうなれば審査員のアルゲリッチやウラジーミル・アシュケナージら一流ピアニストの採点も公開され、一般観衆から審査員が「審査」される可能性があるわけです。コンクールの新たな見どころになりそうです。
審査方変更に関するネット情報
●近年、ショパン・コンクールはその目的からして当然であるものの、ショパンの曲目だけによる審査であること、また「正しい」スタイルをポーランド人主体の楽派によって構成されたジュリーが審査するということで価値が下がり(ローカル化し)ました。
●特に、欧米の若手ピアニストが興味を示さなくなって、コンクールとしての価値が暴落しました。(真面目なアジア人に対抗できなくなったからかも・・・)
●そのため、上記のような一定の成果を確認したところで、今後はなるべく普通のコンクールに近づける方向で、改革がおこなわれたものと想像します。
アジア人初の1位獲得者が語る・・
●今回、審査員を務めるベトナム出身のピアニスト、ダン・タイ・ソンさん(52 写真)は、1980年にアジア人初の1位に輝いた人物です。
chopin5.jpg●アジアの人間が、ヨーロッパ文化に根ざしたクラシック音楽の神髄を習得するのは、本質的に難しいことです。私自身(ソンさん)は本能的な感情ではなく、理知的なアプローチによって、音楽理解を深めました。
●これには良いこともあります。例えば、ドイツ人がロシア音楽のエッセンスを理解するのは、意外と骨が折れる。しかし、文化的ルーツが異なる私たちは、自由に国境を超えて、様々な音楽に等しく接することができますこれは強みです
●30年前には非ヨーロッパ人のコンクール参加者はごく一部でした。もの珍しさもあったのでしょう、聴衆は私に好意的でした。しかし今や状況は変わりました。アジア勢の躍進は逆に、「またアジア人か」とうんざりされる危険があります。技術的な完全さを目指すだけでなく、積極的に自己主張しなければいけません。その点、日本の若い人は、ややおとなしすぎる気がします
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(第16回コンクール日程概要)
第一次予選 10月3日~7日  原則として40名(以内)が二次予選進出
第二次予選 10月9日~13日  原則として20名(以内)が三次予選進出
第三次予選 10月14日~16日 原則として10名(以内)が決勝進出
決勝    10月18日~20日
結果発表  10月20日 午後23時頃予定!
入賞者記念コンサート 10月21日~23日
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chopin6.jpg苦難の歴史を経験し、今も世界不況の中で苦しんでいるポーランド・・我が国とも少なからず関係のある国でもあり、このコンテストの成功と発展を祈念する一人ですが、アジア人の進出はポーランドの方には複雑な面があるのかもしれません。(写真は1975年1位のツィメルマン(ポーランド))
「追悼ポーランド軍参謀総長」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-12
でも生誕200年記念なんだから欧州の若手もがんばれよ・・と言いたくなりますが・・・。
Holylandは幼き頃よりクラシック音楽に囲まれて育ったわけではなく、今でも楽器が出来ない普通の凡人ですが、漫画、ドラマ、映画で話題になった「のだめカンタービレ」に「はまり」コミック24巻を購入精読した成り上がりファンですので、細部の正確性にはご容赦を・・・
過去のショパンコンクール主な1位入賞者
1927年 L・オボーリン(ソ連) 1955年 A・ハラシェビッチ(ポーランド)
1960年 M・ポリーニ(イタリア) 1965年 M・アルゲリッチ(アルゼンチン)
1975年 K・ツィメルマン(ポーランド) 1980年 ダン・タイ・ソン(ベトナム)
1985年 S・ブーニン(ソ連)
1990年 1位なし 1995年 1位なし
2000年 ユンディ・リ(中国)
2005年 R・ブレハッチ(ポーランド)
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追伸
有名なコンクールであり、上位入賞者の将来に大きな影響を与えることから、審査を巡っては過去様々なトラブルが伝えられています。
日本人を巡る騒動としては
●1937年の第3回では、日本人として初出場した原智恵子が多くの聴衆の支持を獲得したが、15位「入選」とされ、前回15位までが「入賞」であったことを知っていた聴衆が憤慨し、会場は警官隊が出動するほどの大騒ぎとなった。結局困った審査員が特例として彼女に「特別聴衆賞」を贈ることでようやく事態が収まった
聴衆次第で、コンクール委員会が救いの手を差し伸べるようになったのは、彼女のおかげである
●戦争をはさんで1955年の第5回では、前回混戦だったことから初めて採用された点数集計計算機で、上位10人がほぼ横並びの大激戦となり、審査員の1人であったミケランジェリがアダム・ハラシェヴィチの優勝に異を唱え、ウラディーミル・アシュケナージの優勝と田中希代子の準優勝を主張し、サインを書かずに途中退席した。
●3回大会の原智恵子の生涯
HARA.jpg13歳で渡仏しラザール・レヴィに師事、日本人で初めてパリ国立音楽院を最優秀で卒業。
1937年、第3回ショパン・コンクールに日本人で初参加。審査の結果は15位。「特別聴衆賞」を受賞したことから、「入賞」とする意見もある。(ちなみに公式では日本人初入賞は田中希代子。)
1938年、イタリアンレストラン「キャンティ」創業者、川添浩史(本名・川添紫郎、後藤象二郎の孫)と結婚
1940年、世界情勢悪化のため、やむを得ず帰国
1941年、長男・象郎を出産。のちに次男・光郎(現・「キャンティ」オーナー)も出産。 川添と離婚後スペインに渡る。
1959年、チェロの巨匠ガスパール・カサドと再婚し、イタリアに定住することを決める。以後、ヨーロッパを中心にデュオ・カサドとして、またソリストとして活動した。
1969年からフィレンツェで「カサド国際チェロ・コンクール」を主催、通算10回(1990年まで)開催
1990年、体調を崩し日本へ帰国、そのまま療養生活に入る。
2001年12月死亡
5回大会の田中希代子がそれほど有名でないのは・・
TANAKA.jpg中村紘子が1965年の第7回ショパンコンクールで第4位入賞したのち、自分がショパンコンクールの日本人初入賞者であると言い続け、初入賞者である希代子の存在が国内で希薄になってしまったことも要因の一つである。
(なお、中村は現在でも彼女自身のホームページのプロフィール等で頑なに訂正せずに『ショパンコンクール日本人初入賞』と言い続けている為、彼女のアンチや希代子のファンから批判され続けている)。
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9月26日、13時35分からNHK総合テレビで「2000年 第14回ショパンコンクール」の特集番組を再放送(NHKアーカイブス)していました。審査員の一人として参加した中村紘子さんの解説付きで・・・。
Yundi Li.jpgこの大会では、中国のユンディ・リが15年ぶりに第一位に選ばれ(12,13回大会では第一位なし)、ミレニアムの年にふさわしい新星が現れたと評判になりました。
番組の中で、ユンディ・リは中国沿岸の新興都市深せんの芸術学院の学生で、中国の期待の星だったと紹介されています。また第1位を獲得した時点で18歳と12日の史上最年少だったと報じられています。
この中国の新星は、その後ドイツを拠点として技を磨き、世界的に現在も活躍しています。
番組の最後は、最終選考の協奏曲演奏の様子を紹介していましたが、5人の協奏曲一番を繋げるような編集で大いに盛り上がれました
漫画「のだめカンタービレ」では、主人公の「のだめ」が「いつかは協奏曲」との思いを胸に頑張るのですが、その気持ちが少しは分かったような気になりました。
10月2日の「第16回」開幕に向け、今後もこのような特集番組がたくさん放送されることを期待します!!!
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4月の予備予選(Elimination round)通過者の一覧です・・・。
No. Name Surname Country
1 Ms Soo Jung Ann Republic of Korea
2 Ms Leonora Armellini Italy
3 Ms Yulianna Avdeeva Russia
4 Mr Fares Marek Basmadji Syria/Poland
5 Mr Evgeni Bozhanov Bulgaria
6 Mr Marek Bracha Poland
7 Ms Wai-Ching Rachel Cheung China – Hong Kong
8 Ms Fei- Fei Dong China
9 Mr François Dumont France
10 Mr Denis Evstuhin Russia
11 Mr Yury Favorin Russia
12 Ms Anna Fedorova Ukraine
13 Ms Madoka Fukami Japan
14 Mr Lukas Geniušas Russia/Lithuania
15 Mr Leonard Gilbert Canada
16 Mr Jayson Gillham Australia
17 Ms Eri Goto Japan
18 Mr Giuseppe Greco Italy
19 Mr Antoine de Grolée France
20 Mr Peng Cheng He China
21 Mr Bo Hu China
22 Ms Ching-Yun Hu Chinese Taipei
23 Ms Shih-Wei Huang Chinese Taipei
24 Ms Claire Huangci USA
25 Ms Junna Iwasaki Japan
26 Mr Julian ZhiChao Jia China
27 Mr Kaoru Jitsukawa Japan
28 Mr Aljoša Jurinić Croatia
29 Ms Airi Katada Japan
30 Ms Lusine Khachatryan Armenia
31 Mr Nikolay Khozyainov Russia
32 Mr Da Sol Kim Republic of Korea
33 Mr Sung Jae Kim Republic of Korea
34 Ms Marie Kiyone Japan
35 Mr Yaron Kohlberg Israel
36 Mr Ilya Kondratiev Russia
37 Mr Jacek Kortus Poland
38 Mr Marcin Koziak Poland
39 Ms Sheng-Yuan Kuan Chinese Taipei
40 Ms Naomi Kudo Japan/USA
41 Mr Miroslav Kultyshev Russia
42 Ms Hanchien Lee Chinese Taipei
43 Ms Eri Mantani Japan
44 Mr Guillaume Masson France
45 Mr Vladimir Matusevich Russia
46 Ms Maiko Mine Japan
47 Mr Shota Miyazaki Japan
48 Mr Kotaro Nagano Japan
49 Mr Mamikon Nakhapetov Georgia
50 Ms Mariko Nogami Japan
51 Ms Kana Okada Japan
52 Ms Yuma Osaki Japan
53 Ms Anke Pan Germany
54 Ms Esther Park USA
55 Mr Nimrod David Pfeffer Israel
56 Ms Marianna Prjevalskaya Spain
57 Mr Ilya Rashkovskiy Russia
58 Ms Joanna Różewska Poland
59 Mr Takaya Sano Japan
60 Mr Louis Schwizgebel-Wang Switzerland
61 Mr Yury Shadrin Russia
62 Mr Ishay Shaer Israel
63 Mr Meng-Sheng Shen Chinese Taipei
64 Ms Natalia Sokolowskaya Russia
65 Ms Rina Sudo Japan
66 Mr Hyung-Min Suh Republic of Korea
67 Ms Hannah Sun Australia
68 Ms Jiayi Sun China
69 Mr Mei-Ting Sun USA
70 Mr Gracjan Szymczak Poland
71 Mr Xin Tong China
72 Mr Danil Trifonov Russia
73 Ms Hélène Tysman France
74 Mr Andrew Tyson USA
75 Ms Irene Veneziano Italy
76 Mr Paweł Wakarecy Poland
77 Ms Yuri Watanabe Japan
78 Mr Mu Ye Wu China
79 Mr Ingolf Wunder Austria
80 Mr Denis Zhdanov Ukraine
81 Mr Eric Zuber USA
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<第一次予選課題曲と出場者の選曲率>
<エチュード2曲(a,b群より1曲ずつ選択)>
a)
エチュード第1番 ハ長調 C-dur op.10-1 ———- 18名 (23%)
エチュード第23番 イ短調 a-moll op.25-11 ——-18名 (23%)
エチュード第5番 変ト長調 Ges-dur op.10-5 —–16名 (21%)
エチュード第8番 ヘ長調 F-dur op.10-8 ———–13名 (17%)
エチュード第4番 嬰ハ短調 cis-moll op.10-4 —-10名 (13%)
エチュード第12番 ハ短調 c-moll op.10-12 ——–3名 (4%)
b)
エチュード第18番 嬰ト短調 gis-moll op.25-6 —-18名 (23%)
エチュード第2番 イ短調 a-moll op.10-2 ———-14名 (18%)
エチュード第10番 変イ長調 As-dur op.10-10 —-14名 (18%)
エチュード第17番 ホ短調 e-moll op.25-5 ———14名 (18%)
エチュード第22番 ロ短調 h-moll op.25-10 ———9名 (12%)
エチュード第11番 変ホ長調 Es-dur op.10-11—– 4名 (5%)
エチュード第7番 ハ長調 C-dur op.10-7 ————-3名 (4%)
エチュード第16番 イ短調 a-mol op.25-4 ————3名 (4%)
<次の曲群より1曲>
ノクターン第8番 変ニ長調 No.8 Des dur op.27-2 ——-13名 (17%)
ノクターン第17番 ロ長調 No.17 H dur op.62-1 ———-12名 (15%)
エチュード第19番 嬰ハ短調 cis-moll op.25-7 ———- 12名 (15%)
ノクターン第16番 変ホ長調 No.16 op.55-2 Es dur —- 10名 (13%)
ノクターン第3番 ロ長調 No.3 H-dur op.9-3 —————- 8名 (10%)
ノクターン第13番 ハ短調 No.13 c moll op.48-1 ——— 8名 (10%)
ノクターン第18番 ホ長調 No.18 E dur op.62-2 ———- 7名 ( 9%)
ノクターン第7番 嬰ハ短調  No.7 cis moll op.27-1 —– 4名 ( 5%)
エチュード第3番 ホ長調 「別れの曲」 E-dur op.10-3 — 2名 ( 3%)
ノクターン第12番 ト長調  No.12 G dur op.37-2 ——— 1名 ( 1%)
エチュード第6番 変ホ短調 es-moll op.10-6 ————— 1名 ( 1%)
ノクターン第14番 嬰ヘ短調  No.14 fis moll op.48-2 — 0名 ( 0%)
<次の曲群より1曲>
バラード第1番 ト短調/Ballade g-moll Op.23 ————–13名 (17%)
バラード第4番 ヘ短調/Ballade f-Moll Op.52 ————–13名 (17%)
スケルツォ第2番 変ロ短調/Scherzo b-Moll Op.31 —–10名 (13%)
スケルツォ第4番 ホ長調/Scherzo E-Dur Op.54 ———10名 (13%)
幻想曲 ヘ短調/Fantasie f-Moll Op.49 ———————– 8名 (10%)
舟歌 嬰ヘ長調/Barcarolle Fis-Dur Op.60 ——————-7名 ( 9%)
スケルツォ第3番 嬰ハ短調/Scherzo cis-Moll Op.39 — 5名 ( 6%)
バラード第2番 ヘ長調/Ballade F-Dur Op.38 ————– 4名 ( 5%)
バラード第3番 変イ長調/Ballade As-Dur Op.47 ———–4名 ( 5%)
スケルツォ第1番 ロ短調/Scherzo h-Moll Op.20 ———–4名 ( 5%)
*曲順は問わないが、エチュード2曲(a,b群より各1曲)のみ続けて奏すること
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第一次予選通過者40名が発表!
2  レオノラ・アルメリーニ/Ms Leonora Armellini /イタリア
3  ユリアナ・アヴディエヴァ/Ms Yulianna Avdeeva /ロシア
5  エフゲニ・ボジャノフ/Mr Evgeni Bozhanov /ブルガリア
6  マレク・ブラハ/Mr Marek Bracha /ポーランド
7  ワイ=チン・レイチェル・チュン/Ms Wai-Ching Rachel Cheung /香港
8  フェイ=フェイ・ドン/Ms Fei- Fei Dong /中国
9  フランソワ・デュモン/Mr François Dumont /フランス
12 アナ・フェドロヴァ/Ms Anna Fedorova /ウクライナ
14 ルーカス・ジェヌーシャス/Mr Lukas Geniušas /ロシア・リトアニア
15 レオナ―ド・ギルバート/Mr Leonard Gilbert /カナダ
16 ジェイソン・ギルハム/Mr Jayson Gillham /オーストラリア
20 ペン・チェン・へ/Mr Peng Cheng He /中国
22 チン=ユー・フー/Ms Ching-Yun Hu /台湾
24 クレア・ファンチ/Ms Claire Huangci /米国
25 岩崎 洵奈/Ms Junna Iwasaki /日本
29 片田 愛理/Ms Airi Katada/日本
31 ニコライ・コジャイノフ/Mr Nikolay Khozyainov /ロシア
32 ダ・ソル・キム/Mr Da Sol Kim /韓国
37 ヤシェク・コルトゥス/Mr Jacek Kortus /ポーランド
38 マルシン・コジャク/Mr Marcin Koziak /ポーランド
41 ミロスラフ・クルティシェフ/Mr Miroslav Kultyshev /ロシア
44 ギョーム・マッソン/Mr Guillaume Masson /フランス
48 永野 光太郎/Mr Kotaro Nagano/日本
52 大崎 結真/Ms Yuma Osaki/日本
56 マリアンナ・プリャヴァルスカヤ/Ms Marianna Prjevalskaya /スペイン
57 イリヤ・ラシュコフスキー/Mr Ilya Rashkovskiy /ロシア
61 ユーリ・シャドリン/Mr Yury Shadrin /ロシア
65 須藤 梨菜/Ms Rina Sudo /日本
66 ヒュン=ミン・ス/Mr Hyung-Min Suh /韓国
68 ジャイ―・スン/Ms Jiayi Sun /中国
69 メイ=ティン・スン/Mr Mei-Ting Sun /米国
71 シャン・トン/Mr Xin Tong /中国
72 ダニール・トリフォノフ/Mr Danil Trifonov /ロシア
73 エレーヌ・タイスマン/Ms Hélène Tysman /フランス
74 アンドリュー・タイソン/Mr Andrew Tyson /米国
75 イレーヌ・ヴェネツィアーノ/Ms Irene Veneziano /イタリア
76 パヴェル・ヴァカレツィ/Mr Paweł Wakarecy /ポーランド
77 渡辺 友理/Ms Yuri Watanabe/日本
79 インゴルフ・ヴンダー/Mr Ingolf Wunder /オーストリア
80 デニス・ジュダノフ/Mr Denis Zhdanov /ウクライナ
※エントリー番号順(苗字アルファベット順)
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chopin1rd.jpg9日から2次予選が始まりました
(写真は一次予選結果発表)
第二次予選課題曲と課題曲選択率はこちらの通り。(45-50分以内。曲順は自由だがマズルカは作品番号順に演奏すること)
ショパンのインスピレーションの源泉である、ポーランドの魂にぐっと迫っていくような曲が並びます。
●下記の曲群から第一次予選で弾いていない作品を1曲
舟歌 嬰ヘ長調 Barcarolle Fis-Dur Op.60————12名(30%)
幻想曲 ヘ短調 Fantasie f-Moll Op.49——————7名(18%)
バラード第1番 ト短調 Ballade g-moll Op.23————6名(15%)
バラード第4番 ヘ短調 Ballade f-Moll Op.52————4名(10%)
スケルツォ第4番 ホ長調 Scherzo E-Dur Op.54——-3名( 8%)
バラード第3番 変イ長調 Ballade As-Dur Op.47——-2名( 5%)
スケルツォ第1番 ロ短調 Scherzo h-Moll Op.20——-2名( 5%)
スケルツォ第2番 変ロ短調 Scherzo b-Moll Op.31—-2名( 5%)
スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Scherzo cis-Moll Op.39-1名( 3%)
バラード第2番 ヘ長調 Ballade F-Dur Op.38————1名( 3%)
●下記のワルツから1曲
ワルツ第2番 変イ長調 No.2 As dur op.34-1————13名(33%)
ワルツ第5番 変イ長調 Valse As-Dur Op.42————10名(25%)
ワルツ第4番 ヘ長調 No.4 F dur op.34-3——————7名(18%)
ワルツ第1番 変ホ長調「華麗なる大円舞曲」op.18——6名(15%)
ワルツ第8番 変イ長調 No.8 op.64-3 As dur————-4名(10%)
●下記のマズルカから1作品群
3つのマズルカ(第36-38番)3 Mazurka (a:/As:/fis:) Op.59———-13名(33%)
4つのマズルカ(第14-17番)4 Mazurka (g:/C:/As:/b:) Op.24——-10名(25%)
4つのマズルカ(第22-25番)4 Mazurka (gis:/C:/D:/h:) Op.33——-6名(15%)
4つのマズルカ(第10-13番)4 Mazurka (B:/e:/As:/a:) Op.17——–4名(10%)
3つのマズルカ(第30-32番)3 Mazurka (G:/As:/cis:) Op.50———4名(10%)
3つのマズルカ(第33-35番)3 Mazurka (H:/C:/c:) Op.56————–2名( 5%)
4つのマズルカ(第18-21番)4 Mazurka (c:/h:/Des:/cis:) Op.30—–1名( 3%)
4つのマズルカ(第26-29番)4 Mazurka (e:/H:/As:/cis:) Op.41——0名( 0%)
●下記のポロネーズから1曲
アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ 変ホ長調 Op.22—-15名(38%)
ポロネーズ第5番 嬰ヘ短調 Polonaise fis-Moll Op.44—————–13名(33%)
ポロネーズ第6番 変イ長調 Grande Polonaise brillante Op.53—–12名(30%)
●その他ショパンの作品の中から、第一次予選で演奏していない曲を1曲以上選択のこと
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ピアノSteinway & Sonsについて
Steinway & Sonsの名声
Steinway&Sons.jpg●スタインウェイ・アンド・サンズ(Steinway & Sons, 通称:スタインウェイまたはスタンウェイ)は、1853年にアメリカ合衆国ニューヨークで設立されたピアノ製造会社で、ベヒシュタイン、ベーゼンドルファーと並んで、世界のピアノメーカー御三家の一つに数えられています。
●スタインウェイのピアノは、世界で最も有名なピアノの代表格であり、多くの伝説的なピアニストや作曲家達の信奉の結果が今日の地位を築いています。
●第16回ショパンコンクールでは、日本のヤマハ(販売数世界1位)カワイ(販売数世界2位)も公式ピアノとして認定されており、日本製ピアノのの品質と耐久性は世界でも評価が高いところですが、欧米の参加者の使用ピアノは依然Steinway & Sonsが主流のように感じられます。
Steinway & Sonsの沿革
●1836年に、ドイツ・ニーダーザクセン州のゼーセン (Seesen) で家具製作を営んでいたヘンリー・スタインウェイ (Henry E. Steinway)が、スタインウェイの第一号となるピアノを製作しました。
スタインウェイはその後、ドイツからアメリカ合衆国へ渡り、1853年にスタインウェイ・アンド・サンズをニューヨークのアストリアに設立しました。ヘンリー・スタインウェイの死後の1880年にハンブルクに生産拠点が置かれました。
Steinway & Sons隆盛の背景
●ベーゼンドルファーなどのヨーロッパの名門メーカーは、ピアノをチェンバロの発展形として、音響的に残響豊かな宮廷で使用する前提でピアノ造りを行なっていました。
これに対しスタインウェイは、数千人を収用できる音響的に貧弱な多目的ホールにおいての使用を念頭においていました。そのために、今では常識となっている音響工学を設計に初めて取り入れた結果、スタインウェイは構造にいくつかの特色があります。
–主に響板の響きを重視したベヒシュタイン
–胴の部分にも響板と同じスプルース材を用い、響きやすくしたベーゼンドルファー
スタインウェイはそれらに対し、厚く強固な胴でしっかりと響板からの圧を支える構造を持ち、また胴からの反射音も多彩な響きに貢献していると言われています。それ以外にも交差弦やデュプレックススケールなど、スタインウェイの革新の数々は世界的に広く他のピアノ製造者の手本となりました。
●またこれ以外に、戦後の世界的な高級ピアノ市場をスタインウェイが独占できたのは、ヨーロッパ、特に敗戦国であるドイツの名門メーカーが第二次大戦の戦災により壊滅的なダメージを受け、主要な工房や多くの技術者を失った事にも起因していると言われています。
紆余曲折の20世紀Steinway & Sons
Steinway & Sons2.jpg●20世紀後半以降スタインウェイの経営は順風満帆とは行かず、1972年のCBSによる買収、複数の個人投資家への売却を経て、今日では、複数の同型企業と共に楽器製造企業複合体スタインウェイ・ミュージカル・インスツルメンツ(旧セルマー・インダストリーズ)を形成するに至っています。
●この企業複合体は、1990年代後半にかけてアメリカ経済のバブルの恩恵を受けて、売上高を急激に増やして財務体質が改善されました。その結果、スタインウェイはピアノ造りに欠かせない良質な素材を確保する点で優位性を保持することとなりました。
Steinway & Sonsの魅力
●弦の振動をピアノ全体に分散し響かせる設計によって、楽器全体から豊かな音を発生することができ、特に大ホールにおいても充分な量のきらびやかな音を響かせる事が出来ます。
●また整調、整音により幅広い音色を持たせることが可能であるため、クラシックやジャズに限らず、幅広いジャンルに対応することができ、多くのホールや録音スタジオでのファーストチョイスとなっています。
●更にす器としての寿命が長く、古くなった楽器でもリビルドすることによって演奏可能な状態に再生することができるのも、その特色の一つです。このため現在に至るまで、ほとんどのピアノメーカーはスタインウェイの特徴を取り入れようと努めています。
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Jasinski2.JPG2次予選結果発表!3次予選進出者20名発表)
残念ながら日本人参加者は全滅で、アジア勢も2名のみ・・・
(写真は審査委員長ヤシンスキ氏
本大会参加者81名の内、アジア勢は34名(日本人17名を含む)でした。・・にもかかわらず、ベスト20名にわずか2名のみですか・・・。
冷静に分析すべきですが・・・今大会は欧米の参加者を呼び戻す狙いの大会(審査員の多国籍化)でもありますから、もしかしたら・・・その辺りの「見えざる手」が・・・。
2  レオノラ・アルメリーニ/Ms Leonora Armellini /イタリア
3  ユリアナ・アヴディエヴァ/Ms Yulianna Avdeeva /ロシア
5  エフゲニ・ボジャノフ/Mr Evgeni Bozhanov /ブルガリア
7  ワイ=チン・レイチェル・チュン/Ms Wai-Ching Rachel Cheung /香港
8  フェイ=フェイ・ドン/Ms Fei- Fei Dong /中国
9  フランソワ・デュモン/Mr François Dumont /フランス
14 ルーカス・ジェヌーシャス/Mr Lukas Geniušas /ロシア・リトアニア
16 ジェイソン・ギルハム/Mr Jayson Gillham /オーストラリア
24 クレア・ファンチ/Ms Claire Huangci /米国
31 ニコライ・コジャイノフ/Mr Nikolay Khozyainov /ロシア
38 マルシン・コジャク/Mr Marcin Koziak /ポーランド
41 ミロスラフ・クルティシェフ/Mr Miroslav Kultyshev /ロシア
61 ユーリ・シャドリン/Mr Yury Shadrin /ロシア
69 メイ=ティン・スン/Mr Mei-Ting Sun /米国
72 ダニール・トリフォノフ/Mr Danil Trifonov /ロシア
73 エレーヌ・ティスマン/Ms Hélène Tysman /フランス
74 アンドリュー・タイソン/Mr Andrew Tyson /米国
75 イレーヌ・ヴェネツィアーノ/Ms Irene Veneziano /イタリア
76 パヴェル・ヴァカレツィ/Mr Paweł Wakarecy /ポーランド
79 インゴルフ・ヴンダー/Mr Ingolf Wunder /オーストリア
※エントリー番号順(苗字アルファベット順)
おまけ
審査委員長ヤシンスキ氏がマズルカを語る
(ポーランドの民族音楽で、2次予選の分かれ目となったのかも知れないマズルカに関する貴重なご意見です。PTNAのインタビュー記事から)
●マズルカをどのように踊るのかではなく、ショパンがどのような心境でマズルカを書いたのかを感じ取ることです。寂しくて悲嘆に暮れている時は郷愁の念を、楽しい時は笑顔でマズルカを書いている姿が思い浮かびます。その他にも、愛、友情、冗談、美しい自然、空、星、木々、鳥・・・マズルカには全てが込められています。そう、鳥の鳴き声を感じることもあるんですよ。
ショパンは長く故郷を離れていましたから、マズルカは現実というより、思い出や過去の記憶と繋がっているのですね。ぜひ皆さんには、ショパンを作曲家としてだけでなく、一人の人間として、一人の男性として理解して頂きたいと思います。
彼がどのように感じ、何を大事に思っていたか。彼は生涯結婚せず、子供も持たず、愛も長くは続きませんでした。愛の喜びも過去の思い出になってしまった。だから彼の音楽には、愛へのノスタルジーがあるんですね。そんな心情を想像して頂きたいと思います。
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<第三次予選課題曲>
共通課題
・ポロネーズ第7番 変イ長調「幻想」 Op.61 / Polonaise-Fantaisie As-Dur Op.61
ピアノ・ソナタのいずれか1曲
・ピアノ・ソナタ第1番 ハ短調 / Sonate c-Moll Op.4  (0名)
・ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調「葬送」 / Sonate b-Moll Op.35 (8名)*
・ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 / Sonate h-Moll Op.58 (13名)*
(第三次予選出場者20名のうち、1名はソナタを2曲選択)
●その他、ショパンの作品の中から、第一次・二次予選で演奏していない曲を1曲以上選択
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アンジェイ・ヤシンスキ審査員長に聞く
初の共通課題曲「幻想ポロネーズ」について
JASINSKI.jpg二次予選課題であったポロネーズop.44やop.53などは英雄的でヴィルトォーゾ的なのに対し、幻想ポロネーズは「瞑想」であり、豊かな想像力、繊細さ、精神性などが詰まっています。私にはポーランドの歴史、すなわち祖国の過去や未来に対する想いも込められているようにも思います。ポロネーズの部分も僅かに出てきますが大半は幻想であり、ショパンの美しい夢といってもいいでしょう。
夢を見ると様々なことを想像しますね。もちろんピアニストによって中身は違うのですが、私の場合は、特に中間部でショパンの歌曲を思い浮かべます。歌曲にはショパンの愛や友情、愛国心などが投影されています
また演奏者によって、色彩感やルバートなどの表現方法も異なると思いますが、どれもあり得るのではないでしょうか。フェルマータやテヌートも多く、そうした比較的長い音や間に込められている音楽的な緊張感を保つことが大事ですね。また印象派のようなハーモニー、美しい旋律と伴奏・・全てに集中力と緊張感を持って演奏してほしいと思います。
Holylandのコメント
愛国心や祖国を思う心・・・日本では死語になりつつあるこれらの言葉の意味が、自然と体に染みついていないとポーランドの苦難の歴史を背負うショパンは弾きこなせないのかも・・・
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3次予選の結果(決勝進出者)発表!
(以下は、決勝演奏順・演奏曲目
・ミロスラフ・クルティシェフ(Miroslav Kultyshev:ロシア) ピアノ協奏曲1番op.11
・ダニール・トリフォノフ(Daniil Trifonov:ロシア) ピアノ協奏曲1番op.11
・パヴェル・ヴァカレツィ(Paweł Wakarecy:ポーランド) ピアノ協奏曲2番op.21
・エフゲニ・ボジャノフ(Evgeni Bozhanov:ブルガリア) ピアノ協奏曲1番op.11
・ニコライ・コジャイノフ(Nicolay Khozyainov:ロシア)ピアノ協奏曲1番op.11
・ユリアナ・アヴディエヴァ(Yulianna Avdeeva:ロシア) ピアノ協奏曲1番op.11
・インゴルフ・ヴンダー(Ingolf Wunder:オーストリア) ピアノ協奏曲1番op.11
・ルーカス・ジェヌーシャス(Lukas Geniušas:ロシア) ピアノ協奏曲1番op.11
・エレーヌ・ティスマン(Hélène Tysman:フランス)  ピアノ協奏曲2番op.21
・フランソワ・デュモン(François Dumont:フランス) ピアノ協奏曲1番op.11
やっぱり協奏曲1番が人気ですね。
それにしてもロシアは強い! 1次予選参加12名の中から5名が決勝へ、フランスも4名中の2名が決勝です。
Bozhanov.jpg会場の観客にはブルガリアのボジャノフが大変な人気だそうですが、審査員の皆さんにはどのように映っているのでしょうか・・・。
誰が1位を獲得するのか・・1位はあるのか・・また、どの審査員のスコアシートが公表されるのか・・・等々興味は尽きませんが、日本時間の21日朝6-7時に最終結果が発表される見込みです。
みなさまお楽しみに。
ちなみに、10月17日はショパンの命日だそうです。
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以下のブログで、本選10人に残れなかったけれど・・・
本当に素晴らしかったピアニストを紹介しています。
http://mykumasan.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-eead.html
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本選の演奏が7人終了した時点での以下のブログの評価
http://mykumasan.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-c68f.html
後は以下の3名のみです。
・ルーカス・ジェヌーシャス(Lukas Geniušas:ロシア) ピアノ協奏曲1番op.11
・エレーヌ・ティスマン(Hélène Tysman:フランス)  ピアノ協奏曲2番op.21
・フランソワ・デュモン(François Dumont:フランス) ピアノ協奏曲1番op.11
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Avdeeva.JPG第16回ショパンコンクール最終結果
優勝 ユリアナ・アヴデーエワ(ロシア)
英語表記はYulianna Avdeeva
使用ピアノはYAMAHAです
2位  ルーカス・ゲニーシャス(ロシア/リトアニア)
2位 インゴルフ・ブンダー(オーストリア)
3位 ダニイル・トリフォノフ(ロシア)
4位 エフゲニー・ボジャノフ(ブルガリア)
5位 フランソア・デュモン(フランス)
6位 なし
ソナタ賞 ユリアナ・アヴデーエワ(ロシア)
幻想ポロネーズ賞・コンチェルト賞 インゴルフ・ブンダー(オーストリア)
早くも各webサイト上では、今回の結果に反論異論が爆発しているようです。
特に、ハジャアイノフの落選に皆さん意見があるようです。審査員の評価シート公表については現時点で不明です。
優勝 ユリアナ・アヴデーエワさんについて
yuliana.jpg1985年7月3日モスクワ(ロシア)生まれ。
●1990年グネーシン音楽学校でエレーナ・イヴァノワの元でピアノを学び始めた。同アカデミーでウラディーミル・トロップ教授の元で、また同時にチューリッヒ音楽演劇大学でコンスタンチン・シェバコフの元で学んでいる。
06年ジュネーブ国際コンクールで優勝したほか多数のコンクールで優秀の成績を収めている。
●彼女はモスクワの主要ホールや、世界中で演奏活動を行っているほか、CDの録音や、ロシアのTVやラジオで収録を行っている。
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コメントのご紹介
●小山実稚恵さん(審査員)
これまでになく高い水準の競い合いだったが、ロシアの圧倒的な強さが目立った。
菅野恵理子さん(全日本ピアノ指導者協会)
・・一次予選からすでに幾つかの名演が飛び出したが、中でも優勝したユリアナ・アヴディエヴァ(ロシア)のスケルツォ4番とノクターンop.62-1は忘れがたい。彼女は多彩な音色と構築力を武器に、その後も着実に印象深い演奏を披露してくれた。
・・ファイナルでもオーケストラと呼吸を合わせながら、音楽と自由に対話する余裕を見せた。三次予選で少し肩に力が入ったように思われたが、楽譜との真摯な対話、表現の幅広さ、全体の構築力など、高度に安定した実力を示した(ソナタ賞受賞)。
・・最終結果に対して、発表当初は聴衆から驚きの声も上がったようだが、一次・二次予選での見事な演奏も彼女を後押ししたように思う。
・・誰の演奏がどんな特徴を持っているのかが瞬時に思い出せるくらいに、ピアニストの個性が明確に伝わる演奏が多かった
・・皆自分のパーソナリティをよく把握し、それに見合った音楽作りや楽器選びをしている。そしてその演奏を思い出す時、順位はもはや関係ない。
一方で、音が美しくても行間に含みが感じられない演奏や、音楽全体のメッセージが伝わってこない演奏は、やはりもう一歩訴えてくるものが足りなかったように思う。「美しい」の先にある何かを掴むこと、あるいは「美しい」の前にあるものに気づくこと、それが大切だと感じた
●井熊よし子さん(音楽評論家)
・・三次予選と本選を聴きましたが、18-20歳前後の若いロシアの才能が育ってきたのが印象的でした。一時期ロシアは混沌としていましたが、もう、弾けるという段階を超えていますね。年齢は関係なく、ロシアの台頭が特徴だったと思います。
・・一方では、ヨーロッパ勢が多く残りました。皆さん根本的に音楽の基礎ができている上、表現力と個性があって自信に満ち、それが表現とつながって説得力がありました。そういうものがないと、このステージでは通用しないと思います
●萩谷由喜子さん(音楽評論家)
・・公式ピアノにファツィオリが入ったということで、ピアノの観点でも今までと違う展開になりました。(ファツィオリはトリフォノフが選択)弾きこなせる力がある人がきちんと選んで弾きこなしていましたね。
・・アヴディエヴァ(ヤマハ)、ヴンダー、デュモン(スタインウェイ)も良かったですね。自分のピアニズムに合ったピアノを選び、楽器から最高のものを引き出していたのには関心しました。
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PTNAサイトの菅野恵理子さんによるインタビュー記事が下記のアドレスで公開されています。
質問者の人柄を感じさせる素晴らしいインタビューです。
入賞者インタビュー(5位)http://www.piano.or.jp/report/02soc/chopin_con2010/2010/10/24_11593.html
入賞者インタビュー(2位と3位)
http://www.piano.or.jp/report/02soc/chopin_con2010/2010/10/25_11594.html
優勝者インタビュー
http://www.piano.or.jp/report/02soc/chopin_con2010/2010/10/26_11595.html
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◆入賞者ガラ・コンサート (2011年)予定
1月16日(日)仙台/東京エレクトロンホール宮城
1月18日(火)福岡/福岡シンフォニーホール
1月19日(水)大阪/ザ・シンフォニーホール
1月22日(土)東京/オーチャードホール
1月23日(日)東京/オーチャードホール
1月24日(月)名古屋/愛知県芸術劇場 コンサートホール
1月26日(水)札幌/札幌コンサートホールKitara
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Chopin.jpg読売新聞11月4日付21面に松本良一氏によるショパンコンクールの総括記事が掲載されましたので、延々と書いてきた「第16回ショパンコンクール」ネタの最後としてご紹介します。
記事「生誕200年 ショパンコンクール 得点公開 審査の透明性増す」の概要は・・・
●今回のコンクールは、ショパン生誕200年に相応しく、レベルの高いコンクールとなった。
第1位のロシアのアブジェーエワは、ショパン作品ならではの演奏スタイルを知的に洗練し、細部を徹底的に磨き上げて高く評価された。日本製ピアノ(ヤマハ)で一位になったのは、アブジェーエワが初めて。
●実を言うと、アブジェーエワは本選の協奏曲がやや精彩を欠き、結果発表はちょっとした騒ぎになった。これを受け、第4位のボジャーノフは結果に納得せず、授賞式とガラコンサートを欠席した。
しかし全体を見れば妥当な結果であったろうコンクール公式サイト初めて公開された審査結果によれば、アブジェーエワは予選段階で高得点を重ね、審査員が好むショパンらしさを巧みにアピールしていたのである。
●かつての優勝者で審査員を勤めたアルゲリッチは、「優れたショパン弾きは優れたピアニストであるが、優れたピアニストが優れたショパン弾きとは限らない」と明言している。
ショパンコンクールは「ショパン弾き」を選ぶ特別な場であることをあらためて実感した。
●別の審査員のハラシェビッチはアジア出身者の傾向を、「音楽を何も感じず、ただ上手に弾いているだけ」、「頭で計算せず、一瞬一瞬を心で感じて欲しい」と言う手厳しい言葉で表現した。テクニック偏重の日本のピアノ界はこの言葉を重く受け止めたい。

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