ゲーツ長官ASEAN Plusに参加

gatesVietnam2.jpg10日付米国防省HP記事が、同日ベトナムに到着したゲーツ国防長官のASEAN Plus(拡大ASEAN国防相会議)参加について報じています。(写真はベトナム首相と会談
記事は、ゲーツ長官の同会議への参加が、6月のシャングリラ・ダイアログでのベトナム国防相からの招待によるモノであること。また滞在の11日からバイの会談としてベトナム、日本、フィリピン及び中国の各国防相と公式会談(注:記事冒頭の記載順序が会談の時系列順か・・)が組まれ、豪とは非公式会談を行う旨を報じています。
一方、同記事での会談予定各国の紹介部分は、中国、ベトナム、フィリピン、豪、最後に日本の順で記載されています。
この順序が、会談を前にした米国防省の力の入れ方を表しているとすれば、それは現状を振り返ればそれなりに納得できる順序ではありましょう・・・。
では・・記事が表現する各会談の位置づけは・・(記事内の記載順に)
中国関連・・
gatesChina.jpg梁光烈国防相(Gen. Liang Guanglie)は、中国国防関係者に3名いるゲーツ長官のカウンターパートの一人である。同国防相との会談は、中断していた米中軍事交流のブレークスルーとなるモノである。
●国防省高官は「この会談が安定的で信頼感のある両国関係の再開として位置づけられる建設的なモノとなることを期待している」と述べた。ゲーツ長官もしばしば、継続的な安保対話が両国にとっての利益だ、と述べている
(追伸)11日付米国防省HP記事は、11日の梁光烈国防相との会談で、ゲーツ長官への訪中招待が中国側から正式になされた、と伝えています。モレル報道官は「具体的時期については未定だが、可能な限り早急に訪中することになろう」と述べました。
ベトナム関連
gatesVietnam.jpg●ベトナム国防相と首相との会談が計画されており、米国との国交回復15周年記念の年にふさわしい、また地域の極めて重要な両国関係にとって意義のあるモノとなる。両国防相はこの1年半の間で4回目の会談となり、この間に両国関係は格段に進展した。
●議題としては、平和維持活動、海洋安全保障、人道支援、災害対処等々に及ぶであろう。
フィリピン関連
●ガズミン国防相との間で、フィリピン南部のテロ対策、国防改革、海洋安全保障、その他地域の安全保障問題等について議論を行う。
豪国関連(非公式会談)
●豪のスミス国防相は、前回ゲーツ長官と会談した際は外相であった国防相同士の関係になって僅か2ヶ月である。今回は近々豪内で開催予定の国防相協議の準備として意見交換をすることになろう。
豪はアフガニスタンへの重要で大きな貢献国であり、現地の情勢についても議論されるであろう。
日本関連
●米国と日本の同盟関係の「strength and vitality」を確認し、「cornerstone of U.S. security policy in the region」たる日本の北澤大臣とゲーツ長官は、北朝鮮情勢を含む両国相互の利害について議論する。
(追伸)●11日付米国防省HP記事は会談内容について、ゲーツ長官は「8000人以上が関連する沖縄からグアムへの移転は普天間問題と緊密に関連しており、早急に前進させる必要があると強調した」、また同時に「日本政府はすでにグアム移転に関し650億円以上を支出している」と述べました。
会議全般について
●ゲーツ長官はこの会議への参加を大変楽しみにしている。
●ASEAN諸国に加え、ASEAN地域に関連の深い諸国を招いてのこの会議が、広範な協力関係、相互信頼、敬意を醸成することを期待している。
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gatesJapan.jpg日本の安保関係者のみなさま・・「cornerstone of U.S. security policy in the region」との表現が(復活)出て参りました・・どうぞ喜んでくださいね。
報道では、11日の会談で北澤大臣がゲーツ長官に「武器輸出3原則の見直し」に努力する、とのニュアンスを伝えたようですが、出来なかったらどうするんでしょう・・中国に恫喝されたらどうするんでしょうか・・普天間の悪しき前例もあるし・・・。
中国への対応のため、米国は懸命に西太平洋地域の各国との関係強化を求めています。その実態は負担の分担であり、国防分野での自立要求ですが、そのほかに何とも致し方ないのが米国の国力の現状でしょう。
でも・・ベトナムとは18ヶ月で4回目の会談ですか・・・必死ですね。

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