US Cyber Command 運用開始記念
(米国時間10月1日から正式運用開始です。)
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「私の私見だが、サイバー戦に関するウォーゲームをやって見て、何が起こるか、現政策や法律や対処に関する権限分担が正しいかを確認してみたい。」
「政府全体に、どこが何をなすべきかをアサインすべきである。技術の進歩に法律や規則が追随できていない。ダイヤル式電話当時の規則で、このIT社会の現実に対応できない」
「サイバー空間の諸問題を扱う、国土安全保障省やFBIを含む横断的なチームを設けるべき。ばらばらの各機関や民間部門が共に取り組む場が必要である」
9月22日、米サイバーコマンドのアレクサンダー司令官が軍事記者との座談会に望み、陸海空や宇宙と並ぶ新たな戦いのドメインであるサイバー空間の課題への国全体の取り組みが、まだまだ不十分であると警鐘を鳴らすともに、ホワイトハウスの積極的な関与を要望しました。
なお、23日にも下院軍事委員会で同様の発言を行っています
Cyber Commandのアレクサンダー司令官は記者団に・・・
●我々が35から40年前に造った法律や規則を、時代に即したものにしなければならない。
●同コマンドは、一時間に25万回ものスキャンや確認により国防省のネットワークを防御している。しかし、19億人のネットユーザーと46億人の携帯電話使用者、一日に24兆もの電子メールが飛び交う現状では、よりよい防御を常に探求しなければならない。
●同コマンドは3つの任務、つまり国防情報網の防衛、あらゆるサイバー作戦の遂行、国家のサイバー空間防御への待機維持を果たす。
●本年は約100億円の予算と千人の職員と兵士で、例えば24時間運用の作戦センターなどを運営し、攻撃を察知し無効化する体制を取っている。
民間部門との切り分けが課題・・
●我々は個人のプライバシー等を侵害することなく国防省ネットワークにおいて任務遂行が可能。しかし同時に民間部門からの要請があれば、国土安全保障省を支援して民間部門ネットの防衛に協力することが可能である。
●(しかし)誰が何をするのかに関しては混乱もある。そこでホワイトハウスが国家のニーズを整理し、政策や規則を見直して国全体の協力体制構築を推進すべき。
●政策担当者は、例えば以下の質問に対応しなければならない
--サイバー攻撃の構成要素は何か(定義をどうする)
--サイバー空間での戦いにどのような法を適用するか?
--サイバー戦での抑止力とは何か。攻撃者の特定に数ヶ月が必要で、報復が行われない状況で抑止が働くか?
アレクサンダー司令官は「サイバー攻撃は人の生命奪う破壊的な攻撃である。上記の疑問に対応するため議論を重ねなければならない。誰がどの分野で責任を有するのかを明確にする必要がある」と述べ、政府内の「笛ふけど踊らず」状態に警鐘を鳴らしています。
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サイバー戦関連に読者の皆さんの関心が薄いようですが、この分野は陸海空宇宙と並ぶ新たな戦線です。
(関連記事)
「サイバー戦略5本の柱」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-20-1
「(2/2)米空軍サイバーに取り組む」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-07-1
「米サイバーコマンド道遠し」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-16
「米サイバーコマンド準備中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-17
Holylandも十分に分かっているわけではありませんが、少しずつ勉強しておくことが「サイバー真珠湾攻撃」への備えです。よろしくおつきあいのほどを・・・。
「他人のふり見て我がふり直せ」です。
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