●「病んでいる独裁者の息子は、その地位に付きたいと考えている。しかしその息子は北朝鮮軍から階級章を授からなくてはならない」
●「私はこれが韓国海軍艦艇撃沈の背景ではないかと恐れている。我々はこれが北からの最後の挑発行為ではないのでは・・と懸念している」
●「北の核開発や兵器拡散を阻止しようと周辺国が立ち向かう中、中国はそうでない。北の最大のパートナーである中国指導者達は、北朝鮮の崩壊により数百万の難民が中国に押し寄せるのを恐れ、北への制裁に後ろ向きなのだ」
●「北朝鮮は、ビルマ、イラン、ヒズボラ、ハマスへミサイルや兵器を密輸し続け、核開発を継続している」
12日、サンフランシスコの海兵隊記念協会(Marines’ Memorial Association)で講演したゲーツ国防長官は、極めて率直(ここまで発言して大丈夫か・・)に北朝鮮情勢と中国の動向を分析しました。
米国防省HP記事のタイトルも「Gates Gives Frank Assessments of Trouble Spots」と、そのストレートな物言いを表現しています。話題は北朝鮮や中国に限らず、イランやパキスタンやイラクにも及んでいます。
パキスタンに関し・・・
●我々は、ソ連がアフガニスタンから撤退するのを見届けると、パキスタンに背を向けるように振る舞い、そして課題を抱えたままのパキスタンを置き去りにした。我々は「信頼感の負債」を積み上げた責めを負わなければならない。
●1989年にアフガンにも背を向け、私がCIA長官であった時期にパキスタンの核開発もあり1992年にパキスタンとの国交を断った。
●今パキスタン政府は、米国が再びパキスタンを裏切るのではないかと懸念している。我々はこの「信頼感の負債」を減らす努力を続けている。
●パキスタンは今、14万の兵士を動員してアフガン国境沿いのテロ組織と戦っている。我々に必要なのは、米国がパキスタンと長期的で安定な戦略的パートナー関係を構築しようとしている点をパキスタンの人々に確信してもらうことである。
イランに関して・・・
●私はジョンソン大統領以来9人の大統領に仕えてきたが、継続してイランは「米国が直面してきた中でも、最も欲求不満になる挑戦的な安全保障上の課題である。」
●仮にイランが核兵器を獲得すれば、地域の軍拡競争が確実に起こる。一方で、どの戦争も予想不可能で予期せぬ結果を生むが、イランへの軍事攻撃は計り知れない膨大で多様な結果を地域にもたらす(写真は11日マッティス新中央軍司令官就任式)。
●長期的な解決には、イラン自身が核計画はイランの安保情勢を悪化させることを悟る事であろう。当面米国は、各国と協力してミサイル防衛を強化し、外交的な道を開いておく事になる。
イラクに関して・・・
●このように考えてはどうだろうか。10年後にイラクはサウジと同レベルの原油生産量を誇る事になる。そしてこの豊かな国は、今日の民主主義体制を維持すれば、中東地域全体の「方程式」を根本的に変えることになるかもしれない。(以上スピーチ概要)
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夏休み期間中の米国民、果ては世界の人々にじっくり考えてもらうための材料提供でしょうか・・・
特に中国の北朝鮮への態度について、これほどストレートな言い振りを政府高官の口から聞くのは初めてのような気がします。
最近、「失うモノは何もない」的な開き直りが感じられます・・ゲーツ長官からは・・・。
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