「もし、もう一度軍人生活をやり直すとしたら、異なったやり方で実施すべきことがあったかもしれない。しかしそんなには多くない。私は人を信じてやってきた。そのやり方は変わらないだろう」
23日、前ISAF司令官兼駐アフガン米軍司令官マクリスタル大将の引退式典が、ワシントンDCの陸軍基地で行われました。
青空の下、ゲーツ国防長官とケーシ陸軍参謀総長が臨席して実施された式典で、マクリスタル大将は冒頭の言葉で引退スピーチを締めくくりました。米国防省HPは、23日金曜日の最後の記事に同大将の引退式の模様を詳細に伝え、多数の写真と共に紹介しています。
その記事と写真はマクリスタル大将への賛辞と感謝と惜別に満ちています・・・・。
Distinguished Service Medal勲章を授与したゲーツ長官は・・
●2006~2007年の最もイラク戦争が厳しかった時期に、マクリスタル大将の特殊部隊だけが大きな成果を上げていた。彼が我々に自信を取り戻させ、今現在のイラク情勢の劇的改善の基礎を作った。
●米特殊部隊をイラクとアフガンで率い、情報と作戦を革新的に融合させた点において、彼はまさにパイオニアであった。
●アフガンでの戦いには、新たな思考とエネルギー、更に新たなリーダーが必要だった。私は最高な中の最高の人物を必要としていた。そして私は、大統領と前線兵士、そして米国民に対し、マクリスタル将軍を自信を持ってアフガニスタン責任者として推薦した。私が全責任を負っている。
●過去10年間において、我が国に立ち向かう邪悪で暴力的な敵との恐怖に満ちた命がけの戦いに、マクリスタル大将ほど献身的に尽くした米国民を私は知らない。
ケーシー陸軍参謀総長はマクリスタル大将を讃え・・・
●彼は常に率いた部隊に全力で貢献し、そしてその部隊から常に讃えられた。彼は今後何十年と語り継がれる軍の伝統伝説を残した。
●同時に彼は、平時においても多様な職務をこなし、兵士としてだけではなく、学者として、また国家行政機関の一員としてもめざましい働きを残してきた。
●私は、国家の過激派との戦いにおいて、彼ほどのインパクトを与えた陸軍士官を知らない。2001年からのアルカイダとの戦いに関し、彼以上の働きをした兵士を思いつかない。34年間にわたり、彼は砂と埃と汗にまみれた兵士であり、陸軍として国家として彼の引退を惜しむ。
マクリスタル大将は最後のスピーチで・・・
●私がこれまで軍で歩んできた過程において、共に勤務した訓練された隊員を忘れることは出来ない。私の辞任により、私は任務を置き去りにした。私は戦いの中にある兵士との約束を果たせずに去ったのである。
●私の軍生活は私が望んでいた形では終わらなかった。しかし将来に対して悲しみを持って接するのではなく希望を持って立ち向かいたい。
●私に、何ものにも代え難い静かな勇気を与え続けてくれた妻アニーにも感謝したい。
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陸軍大将と言えど、国防省HPがこれだけの扱いをした退役式典は、Holylandの知る限りここ数年はありません。
先日はバイデン副大統領夫妻への軍内の雰囲気をお伝えしましたが、このマクリスタル大将引退式の記事は、まさにそれと対極を成すものでしょう。
お疲れさまでした。
「断腸の思い マクリスタル解任」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-24
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