米空軍が「もう充分。これ以上要らない」と主張し、一方で議員が「もっと買えよ、必要だろ・・」といって予算案に盛り込もうと強硬姿勢を取る・・・
この全く「まか不思議な」やりとりが、議会の場で演じられる段階に至りました。
ちなみに「F-35の第2エンジン」も全く同様の構図となっています。
←Bright Star演習に参加中のC-17
13日、上院の国土安全保障及び政府関係経費小委員会で証言した国防省及び米空軍輸送コマンド関係者は・・・
●2006年以降、空軍はC-17を要求していない。にもかかわらず、毎年購入を続け、これまでに約1100億円を費やしている。「これは(好かれない)毎年維持費が発生する贈り物だ」
●我々が不要と考えるモノを買わされると、必要なモノが購入できなくなる。更に輸送機の場合は、現在使用可能な保有機を廃棄しなければならなくなる。
●空軍のC-5とC-17輸送機は、イラクとアフガン関連の輸送で重要な役割を担っているが、223機のC-17と111機のC-5で機数は十分足りている。
●2月に実施した検討の結果、2016年まで見通して、最も空輸需要が発生するケースでも現在の機数で十分である。
●輸送コマンドの(大型)輸送機の中で、最も古いモノでも2025年まで使用可能である。そしてC-5Mを改修しながらC-17と共に運行することが費用対効果面でも優れている。
●(もしC-17を購入した場合、どの予算を削るのか? との議員の質問に対し)貴方や議会が決めることでしょう。C-17を1機購入する毎に約270億円もの予算を我々から奪うんですから。新しいのをどんどん買って、まだ使えるモノを捨てる・・・これは国防省が追求する効率的でバランスの良い資源配分ではない。
ゲーツ国防長官は、このC-17と「F-35の第2エンジン」を議会が予算に組み込んだ場合、大統領に拒否権を行使するよう要請し、大統領も了解しているところです。
恐らく、選挙地盤の雇用確保や製造元ボーイングからの根回しがあるのでしょうが、議員の先生も良くやりますよねぇ・・・・。
(おまけ)「ゲーツ改革のまとめと整理」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-17
「400記事記念 反響大の記事特集」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-18
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