中国が対空母演習開始 ASBMも試験か

最近の見方は・・・
「ASBMは配備間近か??」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-31
Launch-Test-Locations.jpg6月30日付「Defense Tech」が「中国が空母殺しミサイルを7月4日にテストか」とのタイトルの記事を掲載しています。
同記事は、中国メディアが報じる東シナ海での中国軍の演習(6月30日~7月5日)概要と中国専門家(Andrew Erickson)による分析を紹介しています。
●演習の概要
演習は6月30日から7月5日の間、上海沖の海上に航行禁止区域を設定(上の図)して実施される。
中国軍幹部によれば、演習は毎年恒例のモノであり、東海艦隊の艦艇や潜水艦が多様な対艦巡航ミサイルでの攻撃訓練を実施する模様。水上目標の位置確認のため、海軍航空機の参加も予想される。
中国専門家(Andrew Erickson)の見方
この演習は対空母演習であり、米空母ジョージワシントンが参加する予定の米韓合同演習を黄海で実施するな、との圧力を意図したモノであろう。
・演習では米空母戦闘群に対する接近拒否(Anti-Access)能力を誇示する兵器の発射が行われ、話題の対艦弾道ミサイル(ASBM:DF-21D)の初発射が行われる可能性もある。
・このASBMに関しては、2009年にロケット部分の工場が完成している。
・また3月に打ち上げられた5基のYaogan衛星の3基が同じ軌道に有ることから、これらは中国沿岸部をカバーするためのモノと考えられる。
・更に最近、中国航空宇宙科学工業の第4副部長が、ASBMのDF-21Dが低速目標をCEP数十メートルで攻撃可能と発言した旨が報じられている
DF-21D.JPG・米国は精度の優れたGPSシステムをターゲティングに使用している。一方で専門家は中国のターゲティングについて、海洋監視衛星を空母戦闘群の(大まかな)位置評定に使用して発射し、ミサイル自体が目標に接近後は自らのレーダーやセンサーで目標を見つけて攻撃するものと考えている。(なおこの方式は、旧ソ連が冷戦時代、バックファイアーや潜水艦に搭載したミサイルの誘導に用いたモノである)
中国は、空母戦闘群のミサイル防衛システムを「多様な攻撃で飽和状態」に追い込むことを狙っている。多様な攻撃には、Houbei級ミサイル艇、ミサイル潜水艦や地上発射ミサイルによる混合攻撃が含まれるであろう。
・中国は、米国政府高官や記者達が裏庭でバーベキューを楽しんでいる7月4日(独立記念日)の週末に(ASBMの)初発射試験を行うかもしれない。
しかし一方で、新首相が誕生した日本との関係、朝鮮半島問題の刺激、米国や近隣諸国との関係等を考えれば、合理的な説明が難しい段階で新兵器の試験を行うことは容易くない
過去、上海周辺での軍事演習の影響で民間航空機の離発着が大幅に制限された事があります。今回は上海万博が開催中であることから中国軍も配慮すると思われますが、縦割り社会の中国ですから、5日までの間は上海周辺に注目です。
「CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18
 (その2)から(その5)も 
「(その6)CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-24
 (しつこく最後)(番外編)もあります 
「Air-Sea Battle Conceptの状況」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-23-1
「Air-Sea Battle Conceptの起源」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-24-1

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