国家情報長官DNIの候補者を評価

Clapper.jpgオバマ大統領が国家情報長官(DNI:Director of National Intelligence)に国防次官(情報担当)のジェームズ・クラッパー(James Clapper)氏を推薦しました。
このノミネートに関し、6日シャングリラを終え、次の目的地であるアゼルバイジャンに向かう機内で、ゲーツ国防長官がコメントを発表し、質問に答えています。
ゲーツ長官は、20年以上の付き合いがあるクラッパー氏の指名を心から喜んでいる模様です。なにせ、ゲーツ長官が国防長官になった際に、唯一彼自身が国防省に連れてきた人材だからです。
ゲーツ長官のコメント及び質疑概要
gatesSHGdinner.jpg私はDNIの仕事の難しさを人一倍理解しているつもりであるが、大統領がクラッパー氏を推薦したことを、私がどれほど喜んでいるかを皆さんにお知らせしたい。
率直に申し上げて、私には2004年にDNIの設置に反対し、2005年にはDNIへの就任要請をことわった過去がある。国全体の16もの多様な機関の情報部門を、組織的な権限なしに率いるのは不可能に近い仕事だと考えたからです。
●それでも私はここ数年、大部分はクラッパー氏の努力ですが、国防省とCIAとDNIが協力してDNIの役割を強化するために、種々の取り組みを行ってきました。人事等々です。
●私は、国の情報部門を率いていくのは情報の世界での長年の経験ではなく、建設的に他のリーダーと巧くやっていける気性だと思いますが、正にクラッパー氏はその持ち主です。
●ジムとは20年以上の付き合いで、私がCIA長官の際は、彼はDIA(国防情報局)長でした。彼は10年ほど前に空軍を退役した独立心の強い人物ですが、情報分野の誰にでも敬意を払う人物です。ジムは、私が国防長官になった際、私自身が連れてきた唯一の人材です。正直、大統領からジムの名が上がったとき、私は国防省としての損失を考えました。
Clapper4.jpg●クラッパー氏について、軍関係の勤務が長いことに懸念を示す議会等の人々がいることは承知していますが、彼が情報担当の国防次官として他機関との間で成し遂げたことを見ていただければ、心配ないと判るでしょう。
●議会の中にはクラッパー氏を社交的でないと見る向きもありますが、議会軍事委員会のメンバーからはそのような声を聞いたことがありません。大統領にとってジム以上の適任は以内と考えています。
●クラッパー氏の適正やいかにこれまでDNIに貢献したかに関し、DNI経験者であるブレアー氏やマッコンネル氏も依存のないところだと思います。
ゴールドウォーター・ニコラス法が国防省の権限を国防長官や大統領に一元化している点や企業のCEOとは異なり、DNIは有力な議会の委員長のようなものです。このような仕事に適したのがクラッパー氏です。
gatesAZRB.jpgゲーツ長官が情報機関やそこで働く人々のことに触れる時は、その言葉のトーンが高くなります。「決して目立たず、成功してもオフィスの奥まった場所で静かにハードリカーをいっぱいやるだけ・・」とのゲーツ長官のコメントがどこかでありましたが・・・。(写真はアゼルバイジャン大統領と)
どこの国でも、情報機関は国内での縄張り争いや他機関との連携の無さが問題になりますね・・・。
「(その3)シャングリラ・ダイアログ演説」
  → http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-05
「(その2)シャングリラ・ダイアログに向けて」
  → http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-03

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