本日は、22日(予定)にフロリダ州のケープカナベラルから初の宇宙飛行試験のため打ち上げられるX-37Bについてご紹介します。
X-37Bは、無人軌道上試験機(OTV:Orbital Test Vehicle)と呼ばれるもので、ロケットの先端に取り付けられて宇宙へ打ち上げられ、最長約250日間宇宙に滞在して荷物室搭載の機材や装置の宇宙テストを実施する目的を持っています。
任務終了後は、地上からの指示により自動的に降下し、指定された滑走路に着陸する様に設計されており、帰投の際には地上で人間が操縦する必要がないようです。
X-37B自体の大きさは、9m×4.5m×3mとそれ程大きくなく、写真のように機体中ほどに小規模の主翼を低翼配置で装備しています。V字尾翼を有し、水平尾翼はありません。胴体末尾にロケットエンジンを装備できる構造との説明もweb上では確認できます。
低コストで再使用が可能な宇宙への運搬手段を目指し、1990年代半ばからNASAが研究を始めましたが、計画が遅れてスペースシャトルの貨物室に搭載する方向はキャンセル。その後NASAがスペースシャトル後の人員輸送に本モデルの使用を止めたため、2004年から国防省が主導する引き継ぐ軍事プロジェクトになりました。
現在、空軍の緊急能力造成室(Air Force Rapid Capabilities Office) が担当しているところからすると、将来的には軍事衛星や通信衛星が敵からの攻撃で機能喪失した際の緊急代替衛星や装置の宇宙投入用を考えているのかもしれません。
宇宙アセットの脆弱性については、先週リン国防副長も言及しており、シュワルツ空軍参謀総長も「衛星の緊急投入能力」獲得を空軍の重要任務と発言しているところです。
軌道試験機のX-37Bは4月22日、ケープカナベラル空軍基地からアトラスVロケットを用いて打ち上げられ、試験終了後は、カリフォルニアのヴァンデンバーグ空軍基地に帰投予定です。帰投の予定日は現時点で公表されていませんが、初宇宙飛行ですから数日後であろうと考えられます。
スペースシャトルの山崎さんの話題に消され、日本で取り上げられるかどうか判りませんが、注目です。火星へ行くよりも・・・・。
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SPR(宇宙態勢見直し)を策定中
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-15-1
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