QDRの発表と同時にゲーツ国防長官等から公表された2011年度予算要求案のなかに、米空軍の航空機への長期投資計画が背景説明資料として含まれていた模様です。
その計画は2011年から2040年までの期間をカバーし、F-22の後継開発や輸送機の将来等についても言及しているようです。JDW(Jane’s Defense Weekly)2月17日号が取り上げていますので紹介します。
記事はCraig Caffreyによる “US Air Force reveals 30-year investment plan“です。
記事の概要は・・・
●米空軍は、F-22とC-5の後継機開発のための予算を2020年までには付け始める。
●2025年にはF-22の後継機が必要になるだろう。将来戦闘機に必要な能力は、将来の攻撃機・戦闘機ファミリー、つまり有人無人が組み合わされ、多様なステルス特性と高度なスタンドオフ兵器を搭載したもの、を構成することが予期される。
●今後10年間は、F-22を最新に維持するためのアップグレードを1700億円掛けて行う。
●F-35の空軍調達は、2016年に年間80機でピークとなる。これらを総合すると、全軍種の戦闘機数は現在の3264機から、2018年には2883機まで減少し、2020年には回復して2929機になる。
●C-5とC-17からなる輸送機部隊は健全で安定している。両機のアップグレードに投資することが2040年までを見通して最も効率的な手段である。
●長距離攻撃能力の近代化については本計画の一つの鍵であるが、爆撃機の後継については曖昧な部分が多い。計画には「将来の長距離攻撃能力を提供する有人無人技術の適切な組み合わせを見極める検討を実施中」と記載されている。一方中間段階では、「今日の装備の多くが2040年においても関与し続けるであろう」と国防省は考えている。
F-35の計画は不透明な部分がありますが、戦闘機全体は今後1割減が見積もりですか・・・。ゲーツ国防長官は、イラクとアフガンが終わったら、同規模の国家再建ミッションは当面考えられない、また中国に対しては長距離攻撃能力とJoint air-sea battle conceptですから、輸送能力については現状レベルで良いとのことでしょうか・・・。
(付録)
「QDRから日本は何を読みとるべきか」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07
QDRにおける対中国の新作戦構想に関する部分(Holyland推定)
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-05
「Joint Air-Sea Battle Conceptは平成の黒船」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-09
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