9.11テロが発生した直後に展開を開始した無人偵察機RQ-4グローバルホークが、2月11日に中央軍展開後の総飛行3万時間を達成しました。しかも3万時間は1501回目のフライトで達成されました。
展開場所未公開で中央軍活動地域の南アジアとのみ米空軍HPは言及していますが、2001年11月に展開。展開当時はまだ試験段階にあった試作3号機グローバルホークは、その滞空能力とセンサーの組み合わせによりたちまち現場指揮官の評価を得、これが米空軍の無人機UASへの需要を爆発的に引き起こしました。
1500回のフライトで3万時間達成ですから、単純平均で1回のフライトで20時間飛行することになります。
全長14m、全幅40m、高さ4mと比較的大きな機体で目立ちやすいとも言えますが、巡航高度が3万フィートに達するため、非撃墜の記録は無く、安定した運用が可能となっています。
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RQ-4に搭載可能なセンサーとしては・・・
●合成開口レーダー(SAR)SARストリップ・モードで1m、SARスポット・モードでは30.5cmの解像度。地上移動目標識別(GMTI)モードでは、20~200kmの範囲内を最低4ktの速度で飛行し、移動目標の識別を行う能力を有しています。
●電子光学/赤外線(EO/IR)センサー
1mの分解能で約4万平方nmに渡っての捜索・監視活動が可能で、0.3mの分解能で最大1900のスポット画像を取得する能力を備えています。
「米空軍無人機のゆくえ・前編」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-12-27-1
「米空軍無人機のゆくえ・後編」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-12-28
「米海軍航空戦力の将来・後編」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-12-27
現在RQ-4を使用しているのは米空軍の外、海軍が海面哨戒に、またNASAが地球温暖化監視のため毎日10時間程度飛行させています。
今回発表されたQDRではステルス性を備えた無人機や搭載量を増やしたものなどが構想に現れていますが、無人機の時代を開いた機体として航空史に名を残すことになるでしょう。
(付録)
「QDRから日本は何を読みとるべきか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07
対中国の新作戦構想に部分→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-05
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