3日にボーイングから、11日にはESC(米空軍電子システムセンター)がそれぞれ、フランス空軍の保有する4機のE-3F早期警戒管制機(AWACS)の搭載システムを改修する約300億円の契約が合意に達したと発表しました。
契約では、現有のシステム(米軍BLOCK30/35と同レベル)から最新のBLOCK40/45レベルへの更新が行われる予定です。
具体的改修アップグレード箇所は・・・・
●コンソール・ディスプレイの改修と増数(10から14台へ)
●敵味方識別装置(モードSやモード5能力の追加)
●情報処理用コンピューター(ATO処理の自動化、各種センサーデータの融合)
●追尾能力向上機能(ESMやリンク情報の融合による追尾識別向上)
●ソフトウェアーの迅速な変更改修への対応を可能化
以上のような改修を2012年から2015年12月までの期間で実施予定だそうです。
米側関係者は、AWACSは軍事的な警戒管制任務から、人道支援、捜索救難、海賊対処及びイベントの際のテロ警戒等々に広く活用できるとアピールしていますが、フランス空軍の狙いはどこにあるのでしょうか?
フランスのE-3Fと同レベルの機体を保有する英空軍(E-3Dを7機)はどうするのでしょうか?
いずれにしても、米国は先日発表されたQDRで、武器輸出や技術提供に関する規則や考え方を根本的に見直す方向を打ち出しています。最新のAWACSシステムのプログラムをフランスに提供する辺りは、軍需産業の生き残りと国際協力を加速させたい米国防省の意向に沿ったモノとも考えられます。
ゲーツ長官の先週の仏訪問は、このタイミングにあわせたものかもしれませんね。
(付録)
「QDRから日本は何を読みとるべきか」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07
QDRにおける対中国の新作戦構想に関する部分(Holyland推定)
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-05
「Joint Air-Sea Battle Conceptは平成の黒船」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-09
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