F-35責任者更迭・計画見直しと中国対応

gatesQDR.jpg1日、QDRと2011年度予算案に関する会見に登場したゲーツ国防長官は、F-35開発計画の見直しと、台湾への武器売却に中国が反発を強めていることに関し語りました。両方の話題とも、それぞれに記者会見が必要なくらいですが、どさくさ紛れに勢いで記者対応しています。
F-35開発計画の再検討について
warfaref-35.jpg●昨年F-35の工場を訪問した際に把握した内容より、より多くの問題を抱えていることが明らかになった。
●このため主契約会社に約580億円の出来高払い分は支払わない。またこれは企業だけでなく国防省の問題でもある。私はJSF(F-35)プログラムの国防省責任者(デイビット・ハインツ海兵隊少将)を交代させ、三つ星の幹部(中将)にリーダーを任せることにする。氏名は後日発表
carterashton.jpgカーター国防次官(取得技術兵站担当 Ashton Carter, Undersectretary of AT&L)が再構築してくれた計画で進めることにした。コスト等がより現実的に見積もられ、統合チームのそれとも合致している。
●このプログラムは最も高価で最も重要なものである。同時にQDRと予算案で重要なaccountabilityが求められる計画である。
C-17の生産再開とF-35の代替エンジン提案に政治的な圧力があることを良く認識している。そこでハッキリさせよう、私は大統領に、2つの不要な計画の継続を拒否するよう強く提案する。
台湾への武器輸出決定に対する中国の脅しについて・・
091026_gen_xu_aud.jpg●昨年、中国共産党中央軍事委員会副主席の徐才厚(Gen. Xu Caihou)将軍が来訪の際、政治情勢に関係なく、継続的に軍事対話を続けていこうとお話ししたのだが。このようなことは前ブッシュ政権の最後の一年にもあったことだ。
●関係停滞があるにしても、それが一時的なものあること、そして再び強い関係を築くために元の状態にもどれたらよいと思う。
●(中国が軍事交流中断や米企業への制裁に言及していることに関し、)そうですね・・・・、wait and seeするしかないでしょうね・・・。
ゲーツ長官は、過去に北朝鮮の動きに対してもいわば「突き放した」ような言い振りで毅然とした態度を示しましたが、どこかの国もこうありたいものです。徐才厚が訪米した際は、「政治事情による交流の中断、再開、中断、再開の繰り返しはもう止めにしましょう」と語りかけたゲーツ長官ですが、中国側は馬耳東風、がんじがらめなんですね・・・
F-35は空中給油機の選定とあわせ、取得調達改革の大きな試金石になりそうです。計画の再構築がどのような内容を含むのかも不明です。
(付録)QDR対中国の新作戦構想に関する部分(Holyland推定
   → http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-05
「QDRから日本は何を読みとるべきか」
  → http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07

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