15日、ゲーツ国防長官とマレン統合参謀本部議長が昨年11月5日に発生したフォート・フード基地乱射事件の調査結果を説明し、過激思想の兵士への浸透を防ぐ策が不十分だった、と述べました。
調査は、前陸軍長官のウェスト氏(写真左)と前海軍作戦部長のクラーク氏(写真右)によって行われ、潜在的に危険な兵士の特定と対応について答申を行いました。
ゲーツ長官は調査を総括して・・・(写真は報告書の表紙)
●事件を起こしたナイダル・ハッサン元少佐は、以前よりイスラム過激思想への傾倒を示しており、「危険なサイン」への対応如何では乱射事件を防止できたかもしれない。
●国防省は、過去10年あまり渡って変化し続ける兵士と軍施設のセキュリティーに対する脅威に、十分に対応してこなかった。国防省は依然として冷戦時代のメンタリティーに支配されている。
●我々の対諜報(counterintelligence)の手法は、外国の諜報機関ような相手との戦いにデザインされている。
●軍の装備も、外部の思想の浸透に対応するよりも、内部の悪行や窃盗といった犯罪行為に備えたものとなっている。
●また指揮官に対しても、過激思想の浸透の可能性がある本件のようなケースへの対応要領について適切なガイダンスがなされていない。
●関連する危険情報の集約・配分能力に欠けており、これらの政策を統括する部隊保全(force-protection)担当の高官配置を考慮する。
●我々は、本件に関しどのような兆候があり、どのように進展していったかよく調べなければならない。
ゲーツ長官は以上の調査結果を精査し、施策として実行する任務をストックトン国防次官補(国土防衛担当)に命じました。
そして最後に・・・
「指揮官の任務の中核の一つは、部下の行動や適応状況を、真摯にそして公正に観察することである。これを怠ったり、次の部隊や基地に問題を丸投げすることが被害を生む」と各級指揮官へ警告しました。
あらゆる面で、ゲーツ長官には世界の軍隊の改革を牽引していただく必要がありそうです。
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