7日、制服サイドでQDRなどの各種方針事項や資源配分について取りまとめを行っているカートライト統合参謀副議長が、軍需産業関係者に今後の装備品調達について語り、ニッチな能力しか持たない高価な装備品を購入する時代は過ぎた、と空軍戦闘機や爆撃機を例に語りました。
スピーチは陸軍協会の年次大会で行われ、その概要は・・・
●最新鋭の装備を非常な高価格で開発する風潮を私は憂慮する。多額の予算と期間をつぎ込んで、完成したときには既に時代遅れ・・・そのような時代は過ぎ去った。ここ8~10年間のような予算等の伸びは、既に過去のものである。我々は今後難しい選択をしなければならない。
●長引くイラク・アフガンでの戦いは、同時に大規模な2つの敵と戦う前提で構築された軍隊を根本的に変えた。
●今、兵器システムは複数の場面で使用可能なもので、量が現場に提供できる価格でなければならない。冷戦時に航空優勢は予算上優先事項だったであるが、現在のCOIN(counterinsurgency)任務で高価な戦闘機や爆撃機はほとんど役に立たない。一方、無人機のニーズは非常に高い。
●今後、どのようなシステムも最新の技術を柔軟に取り入れるようでなければならない。例えばミサイル防衛の拡大に関し、70年代製造のレーダーと最新の指揮統制システムを連接して射程と柔軟性を確保する取り組みである。
●一方で、装備品は購入が可能な適正な価格(affordable)でなくてはならない。
●次世代爆撃機は百の単位(hundreds of them)で必要で、2機ではない。(取捨選択の、戦いの)競争は我々にスケールを求める道を示した。そうでなければ我々は不利だ。
米空軍爆撃機調達が悪い例に当たる。B52は700機調達し53億円(1機・93年換算)、B1bは283億円 (98年換算)、そしてB2爆撃機は1160億円もしたために20機しか取得できなかった。
繰り返しゲーツ国防長官以下の幹部が述べていることですが、最近特に空軍への直接的な風当たりが強まっています。
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