24日、リン国防副長官(Lynn)とドンリー空軍長官(Donley)らが記者会見を行い、仕切直しとなっていた次期空中給油機選定のための提案要求書(RFP)を25日に発出すると公表しました。
●経緯と全体スケジュール
本機種選定は、08年2月にノースロップグラマン・エアバスチームが一度契約を勝ち取りましたが、破れたボーイングからクレームがあり、やり直しになっていたものです。
本提案要求書に答えて各企業が提案書を出し、国防省が提案を検討分析し、10年夏にKC-135Rの後継機を総額3兆5千億円程度で179機調達する選定の結論が出る予定です。
●選定で何を重視するのか?
リン国防副長官は「米国防省は今後、コスト増の世界からコスト固定の世界へ移行する」「経費の制約を強化した」と宣言し、開発段階が計画予算内で終了するインセンティブを設けており、最初の5機は価格固定、以後も価格が高騰しない契約であると語りました。
同副長官はまた、米空軍輸送コマンドが作成した現場の要求項目に前回との変化はないが、どの要求項目が開戦初日に必要かを特定したと述べました。
更に、808の要求項目すべてを再精査して重複を亡くして重要性を区分したとし、複数の戦争を戦って給油機需要がピークになる想定等、今後40年間を見通して現場兵士の要求に応え、かつ戦時と平時の両方への適応性と、受け入れ施設経費を含むライフサイクルコストを総合的に勘案して客観的に評価できるモデルを作り上げたと語りました。
●ゲーツ長官の正念場
08年の結果でもめた後、2つの企業チームは「両者で半分づつ生産する」折衷案をアピールしたりしましたが、施設・整備機材・要員養成等で2倍の手間がかかるこのような提案を、ゲーツ長官が厳しく批判してきたところです。ゲーツ長官の調達改革の試金石ですから、決定まで見届けてほしいものです。
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